ポリープ手術を乗り越え、愛沢絢夏がついにステージ復帰!! この日から、愛沢絢夏の「第二章の書き出しの一行目」が始まった!!


愛沢絢夏は、この日が来るのを本当に心待ちにしていた。歌で自分を伝えるシンガーが、たとえ少しの期間とはいえ(ポリープ手術のため)喉を奪われたことは、翼を広げても飛べない鳥と同じ状態だった。だから彼女はtwitterでも、復活の日へ向け毎日カウントダウンを続け、喉を全開に想いの丈をぶつける日を心待ちにしていた。
3月8日(日)、愛沢絢夏は渋谷AUBEの舞台に立っていた。この日は主催イベントツアー「NEO CHAPTER fes」の初日。ただし、世間は愛沢絢夏の復活を手放しで歓迎はしてくれなかった。世の中へ蔓延しだした未知なる病原菌の風評もあり、一時は開催の中止さえ愛沢絢夏とスタッフたちは考えていた。でも、この日を楽しみに賛同してくれた共演者たちやファンたちのため、愛沢絢夏チームはライブを決行することを決めた。イベントに参加したのは、AKARA・一二三茜・キャンディホリック・小原涼・葉月・Unwave・てのひらえる・MARKET SHOP STOREという面々。彼女たちが繋いでくれた熱狂のバトンを受け取る形で、愛沢絢夏は134日ぶりに舞台へ足を踏み出した。

 本番前の音出しリハーサルでバンド陣が演奏をした「Be Crazy」。声の聞こえない演奏に合わせ、フロアから「For Crazy」と歌う声が飛びかいだす。誰もが心待ちにしていた。彼女が姿を現すのを…。

 「人は何時も間違いを繰り返し たくさんの別れ道に出会う 人生を賭けて答え探すために 僕はここで歌ってるんだ」…。みずから目覚めを告げるように、ふたたび大きく歌の翼をはためかせ、愛沢絢夏のライブは「wake up」から幕を開けた。フロア中に灯されたたくさんの真っ赤なサイリウムの光。真紅の輝きは、これから全力で戦おうとしてゆく愛沢絢夏への熱いエールだ。舞台上の彼女は言葉のひと言ひと言を噛みしめながら、久しぶりに立ったステージの上で歌い手/表現者として生きる喜びの瞬間瞬間を身体で感じ、心で受け止めていた。フロアから飛びかう絶叫した声・声・声。その声を喰らいながら、愛沢絢夏は大きく手を広げ、飛び交う想いを掻き集めていた。少しずつ調子を整えてゆく歌声と付き合いながら、みずからの心のエンジンを彼女は震わせていた。フロアはすでに祭り状態だ。その中へ身を乗り出し、歌いながら、愛沢絢夏も貪るように熱を味わい続ける。共に生きていることを実感しようとフロア中から響き渡る「オーオーオー」の声が、なんて熱いんだ!!
「さぁ、思いきりバカになって帰ろうぜ!!」。馳せる気持ちを示すように駆けだす「Be Crazy」に乗せ、愛沢絢夏が沸きだす想いを歌声にぶつけだす。フロアから沸き立つ「For Crazy」の声を全身で受け止めながら、愛沢絢夏は凛々しい表情で仲間たちを煽り続けていた。会場を熱が覆いだす。燃え盛る感情が、嬉しく身体を奮わせる。この感覚がたまらない。お互いが、本気の気持ちを剥き出しに魂と魂をぶつけあう。愛沢絢夏自身は求めるベストな声をつかめず、正直まだ心のストッパーを壊しきれていなかった。でも、フロア中の人たちはくしゃくしゃな笑顔を浮かべ、彼女の不安さえ掻き消す勢いを持って騒いでいた。会場中から響く「Crazy For Crazy」の声。愛沢絢夏自身も次第に不安のブレーキを緩め、興奮という感情のレベルメーターをぐんぐん上げだしていた。

フロアから飛びかう「お帰り!!」の声。「この大変な時期に、こんなにも集まってくれて嬉しいです。一人一人の顔が見えてます。3月6日で4周年、憧れていた夢の一つが今日叶いました。今日は全国各地から、愛沢絢夏のライブのために集まってくれた。それが叶えたかった夢です。ポリープはぶじ完治したよ。今日この日を迎えるまでに、みんなも大変な時間を乗り越え、この会場に集まってくれたと思います。今日のイベントも、わたしが止まってしまったら仲間たちの集まる場所も止まってしまうと思い、開催しました。これからもこの場所を守っていくので、よろしくね」

 ポリープが出来て以降、愛沢絢夏の中には歌えなくなっていた楽曲がある。その陰りを吹き飛ばすために歌ったのが、哀愁抱いたバラードの「Days」。この歌を歌える喜びを身体中へ染み渡らせるように、言葉のひと言ひと言を噛みしめながら、愛沢絢夏は張り上げたい想いを声に乗せ朗々と歌いあげる。正直、彼女の歌声を耳にしながら、心に不安が残っていたのは事実だ。でも、それは時間が解決することだと信じたい。必死に想いを届ける愛沢絢夏へ向け、間奏時に熱い拍手が起きたのも、仲間たちからのエール。彼女はフロアをしっかりと見つめながら、声の羽根をゆっくり、大きく羽ばたかせ、想い詰め込んだ歌の魂を届けてきた。その歌声の羽根がふたたび輝く光を放つまで、少しずつ輝きを取り戻してゆくその姿を、歌声を、今は愛おしさを持って見ていこうじゃないか。
感情のアクセルを一気に踏み込むように、愛沢絢夏は「HARUKAZE」を雄々しく歌いだす。フロア中から飛びかう熱い手拍子を、オイオイ声を張り上げ飛び跳ねる観客たちの放つ熱を、思いきり振りまわすタオルが生み出した熱風を全力で受け止めながら、愛沢絢夏はここで歌っていることを楽しもうとしていた。仲間たちのエールが、愛沢絢夏自身の背中を押してゆく。その力を感じているからこそ、愛沢絢夏は安心と自信と感謝の想いを胸に、ここから「また歩きだそう」と一緒に新しい物語を綴ることを約束していた。
熱風を巻き起こすように、メロディアスな青春パンクナンバー「優しい人よ」が飛びだした。「この声が枯れるまで~今だけは ただ君に届けたい」と歌声と想いを振り絞りながら、愛沢絢夏は熱を孕み大きく膨れだす演奏へ飛び乗り、全力で駆けだした。気持ちのストッパーをぶち壊し、熱を持って走る演奏に自分の気持ちを全部ぶつけ、後悔のないようにと今を思いきり謳歌していた。フロア中に響く仲間たちの合唱を笑顔で受け止めながら、今度は愛沢絢夏が前に立ち、仲間たちを引っ張り上げようとしていた。会場中に、くしゃくしゃな笑顔で騒ぐ観客たちの放つ心の熱が広がり続ける。この熱を一緒に喰らい続けたい。高く拳を突き上げ、愛沢絢夏とこの時間を笑って騒いでたい。

 「ここから、私のライブ人生第二章がスタートします。もう二度とやり残したことがないように笑っていけるように」。その言葉に続き、ここから新たな物語の始まりを綴るように、愛沢絢夏は「もしも今日世界が終わるとしても」を崩れた笑顔で歌いだす。光を抱いて爆走する演奏に合わせ、フロア中から無数の輝く拳の針が突き上がる。掌を思いきり叩きながら、誰もが熱い手拍子を彼女へぶつけていた。もしも今日世界が終わるとしても、やり残したことが一つもないように胸を張って生きてゆく様を、愛沢絢夏が、仲間たちが、この空間に作りあげていた。終始、愛沢絢夏に向かって突き上がる無数の拳のエール。新しい物語が動き出したことを、誰もが笑顔と熱気に包まれながら感じていた。とても印象深い「第二章の書き出しの一行目」じゃないか。フロア中が想い抱いた熱い合唱に染まってゆく、この光景がたまらない。自信に満ちた笑顔で歌い叫んでいた愛沢絢夏を観たことで、安心してまた一緒に歩み出せると実感していた。

止まない絶叫の声を受け、愛沢絢夏がふたたびステージへ。ここで、10月25日の誕生日に代官山UNITでワンマン公演を行うことを発表。
「嬉しいと共に不安が…。でも、ここにいてくれるみんなは、愛沢絢夏と一緒にその夢に向かって走ってくれるよね。みんなも一緒に駆け抜けような」「やっぱり、私はステージが大好きだ!!」

自分らしくいれる場所を、自分が自分でいれるこの空間を、大好きな中間たちと笑顔と熱を交わしあうこの聖地を、これからも愛沢絢夏は愛し続けていく。「やっぱりここが大好きなんだ 僕がここにいる意味は自分の中に」と、最後の最後に愛沢絢夏は「僕のいる場所」を、改めて自分自身へ言い聞かせるように歌っていた。贅沢なくらいに最高な幸せが、そこにはあった。失うことなんて考えられない強い絆で結ばれた仲間たちと、「やっぱりここが大好きなんだ」と愛沢絢夏は歌っていた。ここへ集まった人たちは、少なからず同じ景色や同じ匂い、同じ熱を感じていたはずだ。だから、背の低い愛沢絢夏の姿を消すくらいに大きく腕を伸ばし、彼女に想いを捧げていた。ここが大好きだ、愛沢絢夏が無邪気な笑顔で歌い叫ぶこのライブという空間が大好きだ。 たからこそ一緒に守り続けたい、この幸せを…。さぁ、ここからまた一緒に輝きを放つ道を作っていこうか。

人類の敵とも言える物体が、人々の不安を身近な驚異として掻き立てるようになって以降、愛沢絢夏が愛しているライブハウスという場が、阻害すべき場所、厭味嫌う空間というネガティブな印象を受けるようになり、そこへ集うことが「悪」とでも言うように痛い視線を向けられだしている。そこは、夢や笑顔が生まれる場所であることを知っている人たちの中にも、世間の風に流され視線を逸らす人たちが出始めている。自分もそうだが、その空間で生きることを学び、生きる喜びを覚え、生きる糧を得ている人たちは大勢いる。この日も、あの空間にはマスク姿で暴れる輝き人たちがたくさん居た。なぜ、その喜びが阻害されるのか。「人が集まる場」という懸念があるのもわかる。でも、心の自由は誰も奪えない。自己責任という言い方で逃げも肯定もしない。でも、それ以外の言葉も見つからない。誰だって無自覚ではない。むしろ、可能性がゼロではないことをわかったうえで、自分らしくいれる場所を失くしたくないからこそ、そこへ足を運び、無邪気な笑顔を見せあえる関係に小さな幸せや喜びを求めている。世間が叩くから行かない、利用しないも否定はしない。でも、輝きの生まれる場を失くさない行動を示すことも、一つの選択だ。実際に、それで生活を脅かされるどころか、大きな負債を抱え、人生を失いそうになりだしている人たちだっている。人が生きる権利を他人が奪えないように、いろんな選択の道をみずからの考えで選び、それぞれが信じた道を進めばいいし、その道を頭ごなしに否定しないでもらいたい。否定から未来は生まれない。肯定し、そこで考えを膨らませることで、未来は少しずつ前へ広がっていく。
自分は、これからもライブハウスで想いを放つ人たちの姿を伝え続けてゆく。愛沢絢夏のように「僕のいる場所」を選んだ人たちの答えを、否定ではなく肯定から始め、そのうえで自分の、その人なりの判断を下してもらいたい。そのうえで光に惹かれたなら、この日のように光の元へ集い、汚れのない笑顔を見せあおうじゃないか。

PS~2日後の主催イベント「ARE YOU OK?」で、ふたたび愛沢絢夏のライブを観た。たった2日後とはいえ、喉の調子は格段に上がっていた。歌声を聞いていて心を奮わされる。早くも全盛時の歌声に限りなく近づき出していた。まさに、覚醒前夜。その声に触れられたことが嬉しかった。何より、これから愛沢絢夏のライブに触れられる人たちが羨ましい。何故なら、どんどん調子を上げてゆく愛沢絢夏の声に触れ、興奮できるんだもの。

PHOTO:yui
TEXT:長澤智典

最新MV「もしも今日世界が終わるとしても」

『Be crazy MV』

                                     
★インフォメーション★

愛沢絢夏 twitter
https://twitter.com/ayaka_aizawa
愛沢絢夏 ブログ
https://ameblo.jp/ayaka-pis2/
愛沢絢夏 HP
http://a-ayaka.com/live.html

【ライブスケジュール】

3/15厚木サンダースネイク
3/18渋谷Glad★
3/21今池GROW
3/22大阪PANHEAD
3/24渋谷マルコム★
3/29吉祥寺シャッフル
4/2仙台MACANA
4/3郡山PEAK ACTION
4/16渋谷マルコム★
5/17渋谷マルコム★
10/25 代官山 UNIT《ワンマンライブ》


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