今、シーンの中に新たな潮流が生まれている。その流れを作っているのが、DEXCORE / CHOKE / DEVILOOF / JILUKA / NAZARE という面々。中でも、名古屋を拠点に活動しているDEXCORE(デクスコア)に今、熱い視線が注がれている。DEXCOREが軸に据えているのは「ラウド / ゴシック / メタル など身体を揺さぶる重量感を持ったサウンド」。ヴォーカル架神-kagami-のスクリームした声やグロウルもインパクト強く胸に突き刺さる。だが、DEXCOREが一番の魅力にしているのが「心に響くメロディアスな歌」にある。要は”歌”を輝かせるうえで、彼らは黒く重くなど対極な表現を用いているわけだ。
ただ激しく重く、ライブで暴れさせれば良いではない。魂を揺さぶる歌やメロディを魅力にしているからこそ、それを彩る表層の音を対極として突きつけ、より”歌やメロディの良さ”をDEXCOREは際立たせてゆく。だからライブでも、フロアでサークルを作り走りまわりながらも、歌やメロディに心惹きつけられ、DEXCOREのライブへ足繁く通う人たちが増えている。加えて、痛い言葉を吐き出す歌詞も、心に闇を抱える人たちには強く共感を覚える要因になっている。誰かに向けてではなく、つねに自分自身へ言葉を問いかけ投げつける姿勢も、DEXCOREの歌詞の特徴だ。みずからを傷つけてでも何かを模索する姿は、自分を見いだせない人たちの心へ強い共鳴を与えている。
2016年10月28日に始動。今年5月26日にギタリストに梦斗-yumeto-を迎え、より進化を遂げたDEXCORE。彼らが9月11日(水)に最新シングル「DON’T BE AFRAID」を発売する。
今回のシングル盤は、通常盤に収録した3曲へ、一人の男の心情を綴った物語を投影。歌詞を書いた架神-kagami-は、それを「環境の変化を恐れるな」という言葉へ集約した。
スケールあふれた荘厳な物語を綴るエクストリームでインダストリアル、緻密なドラマ性を持った「Without a Doubt」には、架神-kagami-の中に渦巻く「怒り」が詰め込まれている。楽曲の中、叫びを多用しているのも、彼自身の解き放ちきれぬ感情をぶつけた故のこと。そのぶん、伝えたい歌メロが際立つという効果も与えている。
架神-kagami-の絶叫から幕開ける、スケールあふれる雄大なドラマを描く「Closed(t)」では、絶望に打ち砕かれた男の「悲しみ」を表現。とはいえ、最後に希望を求める姿が、次へ繋がる鍵となっている。「Closed(t)」のサビ歌が、とても感情的で抑揚を持っている。その歌に強く惹かれるぶん、スクリームなどの表情が対極を成し、より歌を際立たせる要因にもなっている。
表題歌でMVを制作した「DON’T BE AFRAID」は、先に記した「怒り」や「悲しみ」を乗り越え、「恐れることなく未来へ突き進め」という強い意思を楽曲に投影。CDのジャケットやMVで扉を開く場面を描き出しているのも、「環境の変化を恐れるな、ここから扉を開いて前へ突き進め」と、架神-kagami-自身へ言い聞かせている心情から来ている。この楽曲も緩急効かせた壮大なドラマを描き出しているように、一曲の中で次々と表情を変えてゆく世界観も存分に楽しんで欲しい。
今回、メンバーが収録した3曲について語ってくれたので、以下へその言葉たちも記そうと思う。
「Without a Doubt」
――ここからは、最新シングル「DON’T BE AFRAID」へ収録した曲たちを紹介していただきたいのですが。冒頭を飾ったのが、梦斗さんが曲を手がけた「Without a Doubt」になります。
梦斗-yumeto- 今回、架神くんの中にシングル1枚を通したコンセプトがあって、その話を受け止めたうえで、そのテーマが当時の自分の心情にも重なりあったことから、それを元に作りあげました。
――先に「コンセプト」からお聞きしても良いですか?
架神-kagami- 掲げたテーマが、「環境の変化を恐れないで」ということ。自分の中にある”怒り”や”悲しさ”などの心情を、3曲を通して聞くことで伝えようと思って、制作していきました。3曲全部を聞くことで、より何かが見えてくるはずです。
梦斗-yumeto- 僕自身も曲制作の時期、人と人との信頼性に疑いを向けざるを得なかったことがありまして。そんなときに、架神くんが今回のシングルに投影した「変化を恐れるな」という気持ちにも触発され、ドラマ性を持った「Without a Doubt」が生まれました。歌メロは、架神くんにお任せしたところ、これまでのサビで透き通ったクリーンな歌い方をしていたのとは違って、「Without a Doubt」ではサビでがなる歌い方をしていた。そこが凄く印象的だったし、驚いた反面「楽曲にマッチしているな」と思ったところでした。
架神-kagami- 3曲とも、歌詞はすべて自分へ向けてのことなんですよ。「Without a Doubt」の歌詞は、自分をぶっ殺す内容。自分自身のことが好きではないからこそ、自分に文句を言ってますからね。
澄-to-ru- これまでのDEXCOREは、ずっと架神くんが楽曲を作ってきたわけですけど。「Collapse」から作曲に梦斗くんも加わって、架神くんとはちょっと系統の異なる楽曲でありながら、しっかりDEXCOREの色にも染め上げたように、梦斗くんがバンドの楽曲へ更に新しい刺激を与えてくれていて。「Without a Doubt」も、それを示せた曲になったと思います。
直樹-naoki- 梦斗くんと架神くんとの化学反応で面白いのが、「この演奏にこのメロを入れるのか」という意外性をお互いに提示しながらも、それがベストマッチしてゆくところ。ふたりとも、自分はまったく想像もつなかったアプローチを「Without a Doubt」に限らずどの曲にもしていて、素直に凄いなと感心します。
「Closed(t)」
――続いては、通常盤のみに収録した「Closed(t)」になります。
架神-kagami- 「Closed(t)」は、これまでに作った中で一番好きな曲。自分で言うのもなんですけど、”自分らしさ”が一番出た曲になりました。
――「Closed(t)」のサビ歌がとても印象深く響いてくるぶん、他のパートとのコントラスが生まれ、よりサビ歌を強烈に感じることも出来ました。
架神-kagami- そこも意図したわけではなくて、自然とそうなっていった形ですね。「変化を恐れないで」という想いは「DON’T BE AFRAID」で歌ってるんですけど、そのテーマをより強く伝えたくて、そこへ至るまでの過去の”怒り”の感情を「Without a Doubt」へ。”悲しみ”を「Closed(t)」で歌っています。自分も聴くたびにいろいろ思い返すので、つい心がウルッとしてしまうこともあります。
梦斗-yumeto- 初めてデモ音源を聴いたときに感じたのが、出だしがオルタナ調だったことから「こういう表情も架神くんの中にはあるんだ」という驚きがあって。しかも聞いたら、これがほんとに感動する楽曲で。デモ音源の時点から感動を覚える大好きな曲でしたが、完成したバージョンを聴いたときには、歌詞や架神くんの心情も更にすごく伝わってきて、僕もウルッときましたからね。それくらい大好きな楽曲です。
澄-to-ru- 架神くんのバラード調の楽曲は毎回外れがないように、今回もそうだったんですけど。「Closed(t)」は聴いてて心が苦しくもなれば、気持ちがウルッとしてくるように、心へ訴えかけてゆく楽曲で。「ホント、いい歌メロ作るなぁ」と。だからこそ、その歌を邪魔しないように、ベースも心がけて演奏してますね。最終的には、歌と演奏が上手く混じりあえたなと感じています。
直樹-naoki- 初めてデモ音源を聴いたときから、誰が聴いても良い曲だと思える素晴らしさを感じていました。そこは、完成した楽曲を聴いても同じ気持ち。ドラムに関しては、バラードだからと言って演奏を抑えることなくガツガツ叩いています。むしろ、それが自分のスタイルなので。楽曲の世界観を壊さない限りは、自分もそうだし、各自がしっかり自己主張していく。それが、結果的に説得力のある楽曲になるんだろうなと思っているからこそですね。
「DON’T BE AFRAID」
架神-kagami- この曲が生まれたときから、確かな手応え感じている曲です。じつは3曲の中で、最初に生まれたのがこの「DO N’T BE AFRAID」なんですよ。タイトル曲だし、曲順は本当なら頭に持ってくるところだと思うんですけど、そういう固定概念みたいなのも壊したかったのと、3曲の流れを通して感じて欲しいので、タイトル曲でもあるこの曲を最後の3曲目に収録しました。
直樹-naoki- 「DON’T BE AFRAID」こそ、DEXCOREスタイルの集大成作でありながら、同時に、その先の姿も提示した楽曲になっていると思います。歌メロがとても綺麗だけど、ドラマ性を持った緻密な楽曲展開で、まさに進化を遂げたDEXCOREサウンドなんじゃないかなと。
澄-to-ru- 展開も多いし、それだけではなく、まさに衝撃の強い大作ですね。今回はシングルという形ですけど、フルアルバムにも相当する、とても濃密な1枚に仕上がったのは間違いないと思ってます。それだけ、壮大なんですよ。
梦斗-yumeto- この曲は僕の加入が決まった頃に、架神くんから「やべぇ曲が出来た」と聞かされていた楽曲で。実際に完成した曲は、誰が聴いても胸に突き刺さる強烈な内容。歌詞もわかりやすいけど、人によって捉え方は様々だと思うので、どんな風に捉えたのか、その反響も楽しみです。
架神-kagami- だね。そこは人それぞれに捉えてもらえれば良いと思ってるので掘り下げては触れないですけど。MVやCDジャケットでは扉を開いて始まる絵なんですよ。「Without a Doubt」と「Closed(t)」は扉を開く前の感情、「DON’T BE AFRAID」は扉を開けた先。それを踏まえて聴いてみるとまた違うんじゃないかなと思います。それぞれいろんな日々の中で迷いや恐れがある時、自分の心の扉を恐れずに開いて欲しいなと思います。
DEXCOREは、自分たちと同じ志を持ったバンドたちを集めたイベントを9月14日に新宿ANTIKNOCKを舞台に開催する。「Gathered of “NEW ERA”」-First-と題したイベントに出演するのが、DEXCORE / CHOKE / DEVILOOF / JILUKA / NAZAREという最強のメンツで、チケットは既にソールドアウト。10月27日には、名古屋ell.SIZEを舞台にワンマン公演も決定。イベントを通し、仲間たちと作りあげる熱。そして、単独公演を通して描き出す感情的な物語。その両方を感じていただければ幸いだ。最後に、架神-kagami-の言葉を記そうか。
「音源と同じことをやるのなら、家でCDを聴いていれば良いことですし。ライブだからこそ気持ちが滾って伝えたい熱も出てくるので、ライブならではの楽しみ方も味わって欲しいです。DEXCOREではサークルが発生するんですけど、お客さんも最初は戸惑いがあると思いますが、最近では何も言わずともサークルを作ってフロアを走ってて。今までになかったそういう新しい行動が、俺らにはとても嬉しいことで。同じ音楽を聴きに集まってくれて、同じ歌を歌って、その空間を楽しんでほしい。この「DON’T BE AFRAID」を聴いて、今までDEXCOREを見たことない人が、行ったこと無いけどライブに行ってみようと思ってくれたら嬉しいです。」(架神-kagami-)
TEXT:長澤智典
DEXCORE Web
https://dexcore.jp/
DEXCORE twitter
https://twitter.com/dexcore_info
★映像★
「DON’T BE AFRAID」 MV
DEXCORE 「DON’T BE AFRAID」 DIGEST
★音源情報★
DON’T BE AFRAID [初回限定盤]
2019.09.11 / 1,800円(税抜)/ JRCS-1007A
「Without a Doubt」
「DO N’T BE AFRAID」
DVD
「DO N’T BE AFRAID」+メイキング
DON’T BE AFRAID [通常盤]
2019.09.11 / 1,500円(税抜)/ JRCS-1007B
「Without a Doubt」
「Closed(t)」
「DO N’T BE AFRAID」
★LIVE情報★
2019.09.14(Sat) 新宿ANTIKNOCK【SOLD OUT】
DEXCORE Presents「Gathered of ”NEW ERA”」-First-
[ACT] DEXCORE / CHOKE / DEVILOOF / JILUKA / NAZARE
[OPEN / START] 17:00 / 17:30
[問] ANTIKNOCK:03-3350-5670
2019.10.27(Sun) 名古屋ell.SIZE
OneMan Live [ DEXCORE ]
[OPEN / START] 17:00 / 17:30
[ADV / DAY] ¥3,500 / ¥4,000(D別)
[一般発売日] 7月27日(土)
[一般発売所]
e+
https://eplus.jp/sf/detail/3037240001-P0030001
ローソンチケット(Lコード:43196)
https://l-tike.com/order/?gLcode=43196
チケットぴあ(Pコード:160-449)
https://t.pia.jp/pia/ticketInformation.do?eventCd=1935893&rlsCd=001&lotRlsCd=
[問] ell.SIZE:052-211−3997
※入場特典CD(会場限定Acoustic Single)