XANVALAのライブはダイエット効果があるエクササイズのようという噂を実感する様がそこには広がっていた。Yuhma(XANVALA)生誕祭レポート!!


XANVALAは現在、全国ツアーXANVALA ONEMAN TOUR 2022「ASK」を行っている。その一環として、7月1日(金)に池袋BlackHoleを舞台に、ギターYuhmaの生誕祭「XANVALA ONEMAN TOUR 2022「ASK」〈Yuhma生誕祭2022〉」が行われた。当日の模様を、ここにお届けしたい。


 「さぁΛ、始めようか、かかってこい!」。ライブは、巽の熱い煽り声を合図に飛び出した『デスパレート』からスタート。そこには、声を出さないだけで、コロナ禍前のライブハウスにあった環境が広がっていた。楽曲に合わせ、数多くの拳が突き上がれば、飛び跳ね、ヘドバンしながら髪を振り乱すなど、最初から理性のストッパーを外し、祭り上がる景色が生まれていた。

 熱狂の景色は最後まで続いていたことを、先に伝えておきたい。もっともっと熱を感じあおうと、XANVALAは次に、「お前の壊し方を」と歌う『DROID』をぶつけてきた。この日はYuhmaの意向によりファン投票でセットリストを作成。コンセプトを理解しているΛが作り上げたセットリストだからこそどれも騒がずにいれない、冷静という言葉を消し去る楽曲たち。身体を突き刺す音の衝撃が、凄まじい。轟音轟く中でも、しっかりと歌を届ける巽。改めて歌い手としての実力の高さを感じさせられた。フロア中から熱いクラップが起きた『左耳の悪魔』でも、深く身体を折り畳めば、手を高く掲げ踊る様など、熱狂に嬉しく溺れるΛたちの姿があった。

「今日は何の日かわかるか?!今日は、国民安全の日。今日はYuhmaの誕生日だ!!おめでとう!!Yuhmaも大きくなりました」。巽のしゃれた言葉も冴えている。この日は、メンバー全員がYuhmaの衣装姿というのも、生誕祭らしい光景だ。

「わたしは、悪くない」。次に演奏した『ケ・セラ・セラ』は、Yuhmaが作曲を担当。凄まじい破壊力を持った変拍子を活かした楽曲だ。ジェットコースターのように、次々と表情を変えながらも爆走していく。多種多様な攻め方をしてゆくところが、トリッキーなプレイを得意とするYuhmaらしい。知哉の手による『Bamby』も、激しくもトリッキーな面を見せる楽曲。この2曲が立て続けに流れることで、気持ちを緩める暇もないジェットコースターを、止まることなく2周したくらいの衝撃と体力の消耗を感じていた。XANVALAのライブはダイエット効果があるエクササイズのようという噂を、実感する様がそこには広がっていた。ライブは、さらに速度を上げながら『帝』へ。容赦なく攻めるメンバーたち。その気合と気迫を、同じように熱狂した姿で受け止め、ぶつけ返すΛたち。このジェットコースターは止まらない。短いMCの時間が一瞬のブレイクタイムのように、この日も感じていた。

これまでの熱狂から表情を塗り替えるように、XANVALAはミドルメロウな『Dearest』を歌い奏でだした。巽の歌が胸にジンと染み渡る。とても美しくメロウな楽曲だ。哀愁を帯びた歌に演奏は寄り添いながらも、気持ちを騒がせる激しさを見せるところもXANVALAらしさ。

 場内中に鳴り響くブザー音。流れだすフィルムの音。そこに乗る巽の言葉…。心地好く跳ねる演奏に乗せて届けたのが、『眠る秒針』。中盤にXANVALAは、巽の歌に心を酔わせる曲たちを並べてきた。『眠る秒針』では、Λたちも舞台上のメンバーらをジッと見つめながら。ゆっくりと身体を揺らしながらも、巽の歌声に心を寄せていた。

「行こう、俺たちの正しい道を」。後半は、ふたたび怒濤の攻めた展開へ。宗馬の煽り声に合わせ、拳を高く突き上げ飛び跳ねるΛたち。「その手を上げろ、ここが俺たちの理想郷だ!!」。巽の声を合図に『XANADU』が飛び出した。これまで以上に高く突き上がる拳。フロア中のΛたちが、その場で小さくステップを踏めば、限られた空間の中で思いきり飛び跳ねていた。互いに熱をぶつけあうことでライブ空間に生まれる理想郷。この日もXANVALAとΛたちは、みずからが欲しい理想郷を自分たちの手で作りあげていた。

黒く重い轟音が炸裂。カオスな音の中で、我を忘れて騒ぐに相応しい『LEGAL』。この曲では、フロア中にはザンバラと大きく髪や掲げた手の揺れる光景が広がっていた。間奏の煽りパートでは、宗馬が、70.が、知哉が、そしてYuhmaがお立ち台に立って(知哉はドラムなので、その場で)Λたちを煽っていた。互いに熱した感情と感情をぶつけあう景色が最高だ。

「もうガタガタうるせぇな!!」、飛び出したのが『誰が為の幸福論』。Yuhmaは、演奏しながらも、振り上げた手をゆらゆらと揺らし、いろんなアクションを見せていた。ときに、Λたちを煽る場面も。ライブはクライマックスに向けて、どんどん熱を上げ続けてゆく。「俺たちの道を行こう」と叫ぶ巽。楽曲は、本編最後を飾った『聖戰』へ。巽の「生きていくことこそ、わたしの聖なる戦争だ」の言葉が胸に刺さる。『聖戰』でも、メンバーとΛたちは気持ちを剥き出しに強く求めあいながら、互いに心の手を伸ばしては、きつく結び合っていた。大きく身体を折り畳みながら、熱気渦巻く会場にその身を浸していた。

 アンコールでも、XANVALAは『CREEPER』を突きつけ、この会場を暴れ祭る宴の場に染め上げていった。演奏後、Yuhmaが「変に緊張して頭が真っ白になっていたよ」と語っていた。最後にXANVALAが演奏したのが、この日、会場で配布したCDに収録していた、XANVALA初のメジャーキーナンバーの『DAYS』。激しくも、心を大きな空間の中へ解き放つ楽曲だ。耳にスーッと溶け込む歌も印象的。騒ぐというよりも、曲の世界に気持ちを寄り添え、心で沸き立ちたい楽曲だ。

ライブ後には、主役のYuhmaにメンバーからプレゼントが手渡されたこともお伝えしておこう。この熱狂の続きは、XANVALA ONEMAN TOUR 2022「ASK」で味わってくれ。

photo by @a_kwsk_1985
TEXT:長澤智典

セットリスト
『デスパレート』
『DROID』
『左耳の悪魔』
『ケ・セラ・セラ』
『Bamby』
『帝』
『Dearest』
『眠る秒針』
『XANADU』
『LEGAL』
『誰が為の幸福論』
『聖戰』
-ENCORE-
『CREEPER』
『DAYS』

XANVALA ONEMAN TOUR 2022「ASK」

07.22(金)【静岡】浜松FORCE
07.23(土)【大阪】心斎橋soma
07.25(月)【愛知】HOLIDAY NEXT NAGOYA
07.26(火)【長野】長野LIVE HOUSE J
08.01 (月)【栃木】宇都宮HELLO DOLLY
08.04 (木)【群馬】前橋DYVER
08.07 (日)【埼玉】浦和Narciss
08.13(土)【千葉】柏Thumb up
08.20(土)【神奈川】川崎Serbian Night

TOUR FINAL
08.27(土)【東京】新宿BLAZE

ツアー特設サイト

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