The Benjaminが、花少年バディーズの名曲たちをミニアルバム『Before』の中でカバー。メンバーが収録した『Balloon』『ボールペン』『ブギウギ』の魅力を語ってくれた。



2月13日に(水)に最新ミニアルバム『Before』を発売するThe Benjamin。この作品は、2014年6月1日に活動を休憩した花少年バディーズの楽曲をカバーした作品集。「何故、The Benjaminが花少年バディーズの楽曲のカバーを?」と疑問を抱く方も多いだろう。The Benjaminのメンバーであるミネムラ“Miney”アキノリ/ツブク”Mashoe”マサトシ/ウスイ”Tacky”タクマの3人とも花少年バディーズのメンバーたち。しかも、今年の5月1日で花少年バディーズが結成10周年を迎える。現状、まだ花少年バディーズとしての活動再会の目処は立っていない。とはいえ、3人とも花少年バディーズに強い愛着を持てば、10周年に花を添えたい想いを抱いていたことから、「The Benjaminとして花少年バディーズの楽曲をカバーし、10周年のお祝いを後押ししよう」と決意。その想いを胸に誕生したのが、全6曲入りのミニアルバム『Before』になる。
今回、The Benjaminのメンバーがミニアルバム『Before』の楽曲を解説してくれた。その中から、『Balloon』『ボールペン』『ブギウギ』の魅力をお伝えしたい。

『Balloon』

触れた瞬間から気持ちを一気に空へと舞い上がらせる、心地好い開放ポップチューン。伝えたい言葉をメロディへギュッと詰め込むことで生まれた、駆けるような歌に心も翔ける気分。この歌を聞いていると、ちょっとがんバルーンな気持ちになれる?!

Miney 花少年バディーズの中、『Balloon』は華やかなポジションを担っていた楽曲。それを、より派手にしてやろうと、以前よりも楽器の音色を足しながら新たなアレンジを施しました。結果、ギターの音色面やアプローチを含め、より今のThe Benjaminに近いスタイルへ近づけた楽曲になったと思います。
『Balloon』の歌いだしが「あの頃は良かった」のように、『Before』(The Benjamin以前)という作品のタイトルとも重なり合えば、ここからどう世界が広がっていくのかを匂わせる、まさに始まりを告げるに相応しい楽曲になりました。あの当時も、今も、「あの頃は良かった」と思うように、こういう気持ちって何年経とうが絶対に変わらずに出てくるもの。そこを感じてもらえたら、この歌をより面白く味わえるんじゃないかな。
Mashoe The Benjaminの場合、その楽曲を作った人がヴォーカルを取ることが一つのルールになっているから、自分が歌う楽曲のことは自分が一番良く知っている。だけど今回は、花少年バディーズの楽曲のカバーということから、作者(Miney)がこの曲に込めた想いをどこまで引き出して歌えるかがポイントになっていたこと。『Balloon』に詰め込んだ想いをどれだけリアリティを持って歌うか。それこそ、「誰よりも幸せになってやる!」と歌ったその一節へ込めた作者の想いを、初めて聞いた人たちにも一瞬で感覚として伝えねばならなかった。そんな微妙な感情の揺れのユュアンスも、歌声の中から感じ取ってください。
Miney 『Balloon』の歌詞自体が、ストレートなようでストレートでなければ、コミカルなようでコミカルでもない。しかも、ブレスの位置がつかみにくい歌の譜割りにもなっているように、歌うのはとても難しい楽曲。サビでは3人で歌ってと、コーラスワークも得意とするThe Benjaminらしさも描き加えたように、花少年バディーズの楽曲だけどThe Benjaminの自己紹介にも繋がる面も巧みに詰め込んだ楽曲へと仕上げました。
個人的に面白かったのが、歌詞の受け取り方の変化。『Balloon』は言葉遊びの要素も多いように、作った当時はそこを強調していたけど。経験や年齢を重ねた今、「弾力性に富むドキュメンタリー」や「人生こそサバイバル」など、歌詞に込めた言葉の一つ一つに人生の重みを感じますからね。それこそ当時は、「大きく口を開けて空気を吸い込んだら いざ行かん」と、深呼吸をするように生きていくことが大事という意味も込めながら、バルーンを膨らませてゆくことの代用としてそう表現していたけど。今は、深呼吸するように生きることの大切さへ自分で感銘を受けているように、今のほうが、言葉の解釈により深みを覚えます。
Tacky そこは、ギターソロにも言えること。以前は、大きな気球を動かすイメージでソロを弾いていたけど、今回は、たくさんの想いを詰め込んだ風船が数多く舞い上がるイメージを持ってギターソロを弾きましたからね。

『ボールペン』

とても甘く温かな歌声とメロディは、まさにMashoe節。切ない過去の思い出に縛られながらも、その想いを大切に、少しだけ前を向く。この曖昧な気持ちに、人は胸をキュッと疼かせる。哀愁漂う歌ほど、心を寄り添えたくなる。

Mashoe 改めて『ボールペン』の歌詞を読み返したときに思ったのが、「忘れ物した未来のぼくらは後悔してた」とか「遠回りして描いた理想は 互いに変わらぬまま」など、若干ネガティブ寄りな歌詞を当時は書いていたんだなということ。それでも、前へ進もうという気持ちも反映しているように、最終的にはしっかりと前を向いて歩みだす。それは、今のThe Benjaminの姿勢にも重なる想いです。
Tacky 凄いのが、この当時から、今に繋がるMashoe Worldが出来上がっていたこと。
Miney 確かに、「『ボールペン』が生まれた頃から、今のMashoe Styleに繋がるものが生まれ始めていたんだなぁ」と改めて感じましたからね。あの当時の花少年バディーズにはヴォーカリストがいたとはいえ、メンバー個々で歌うお遊び的な要素も持っていたように、あの頃も「『ボールペン』をMashoeが歌っても面白いんじゃない?」という発想が出ていたことを思い返したように、この歌を今回カバーするのも必然だったんでしょうね。
Mashoe それは、自分でも感じていたこと。当時も、ここに収録した『ボールペン』のような形に昇華したかったけど、あの頃の自分には、その姿が見えていながらも、それを具現化する術が欠けていた。でも、The Benjaminを通してみずから作った楽曲を歌うようになり、そこを自分の感覚や言葉でつかみ、伝えられるようになった。まさに、ようやく『ボールペン』のあるべき姿に出来たなという実感も僕自身は持っています。
Tacky 当時よりも半音下げて歌ったのに、あの頃以上に「エモいなぁ」と感じる楽曲になったからね。
Miney オリジナルよりも半音下げて歌ったにも関わらず、オリジナル以上に明るく聞こえるのも、Mashoeの持つ歌声のキャラクター性が活かされているから。「転がるボールから 止めようとしても滲んでいく 透明な染料」というイジイジしていた歌詞などを明るく軽やかに描き上げたのも、Mashoeの歌声があってのことなのは間違いないからね。

『ブギウギ』

これぞ、The Benjaminだからこそ表現できるカラフルに弾けたディスコソウルチューン。能天気に跳ねたパリピソングとは異なる、切ない心の琴線もキュッとくすぐる上質なメロディ歌なのもポイント。心ウキウキ、夢中になって恋にフィーバーしちゃえ!!

Miney 『ブギウギ』は、テクニカルなリズムアプローチも加えたソウルフルでディスコティックな楽曲。弾けたこの華やかさは、The Benjaminだからこそ描き出せるスタイル。
歌詞へ「イヒヒ」「エヘヘ」など擬音を多めに使いながら、楽曲の持つワクワク感をさらに強調。人の心の中にある多用な感情をスピード感のある楽曲へ乗せて表現するときに擬音を巧みに使うと、より感情や心模様を豊かに描き出せるんですね。『ブギウギ』で言うなら、「メロメロする」や「ウジウジする」から「ドキドキ」や「ウキウキ」などの言葉を通すことで、感情のいろんな変化を一瞬にして現していける。『ブギウギ』自体が、恋をしたときの心模様が変化する様を投影した楽曲だけど、一つの恋を取っても、人の心模様はこんなにもコロコロ変わっていくという面白さを感じてもらいながら、この歌に共感してもらえたらなと思っています。
Tacky 当時から、70年代のディスコ/ソウルミュージックをベースにしたお洒落な音楽を表現したかったんですよね。こんなにもお洒落で恰好いいのに、この手の曲調って、昔も今もヴィジュアル系バンドの人たちってやらないじゃないですか。そこを表現していけるのがThe Benjamin。だからこそ、よりお洒落に突き詰めた面もありましたね。
Mashoe 『ブギウギ』でのベースプレイは、正直難しかったです。リズムグルーヴをしっかり支えつつも、楽曲の持つ軽快さを出すためにあまり重くなってもいけない。スラップ一つを取っても、やりすぎるとメロディや歌詞が相殺されてしまうからこそ、派手じゃないけど、さりげなく強調してゆくプレイを追求。そこの微妙なさじ加減は、『ブギウギ』の中へ巧みに表現できたなと思っています。
Miney 最初『ブギウギ』を歌うときに、ちょっと甘酸っぱい歌詞過ぎて、照れずに歌えるのか心配だったし、要所要所でキメが多いように、いかに格好よく歌えるかが挑戦だったんですけど。結果的には楽しんで歌えたなと思います。
Tacky この甘酸っぱい歌詞を書いたのは、Mineyさん自身ですけどね(笑)。
Miney 当時は自分が歌う意識なんてなかったわけで。それよりも、「この曲調にはこの甘酸っぱい歌詞が似合う。それをヴォーカリストがどう表現してくれるのか」という気持ちで作っていました。もちろん、あの頃はあの頃で、しっかり楽曲の持つ世界観を歌声で表現してくれていたわけだけど。「まさか、その想いを自分が歌うことになろうとは」って気持ちでした(笑)。

ミニアルバム『Before』について、Tackyは「『Before』が単なる企画盤で終わらないどころか、自分たちでもずっと成長し続けているんだなと強く実感できた作品になれたのが嬉しかったこと。だからこそ『Before』は、いろんな人たちに聞いて欲しいミニアルバムなんですよ。それに、花少年バディーズの周年を祝う活動も、今回の10周年期間を逃すと次は何時になるのか…。だからこそ、自分たちも花少年バディーズの周年企画を存分に楽しみたいし、みなさんにも楽しんでもらえたらなと思っています」とも語ってくれた。

The Benjaminは、ミニアルバム『Before』を手に2月下旬からレーベルツアー。4月より、ワンマンツアー「The Benjamin 4th Anniversary ONEMAN TOUR Respect 10th HSB 『B4U-誰よりも幸せになってやる!-』」をスタートさせる。最期に、このツアーへ向けての想いを記そうか。

Miney 今回は、The Benjaminの4周年もそうですが、花少年バディーズの10周年もお祝いをするツアー。今回発売する『Before』、最初はフルアルバムにしようという計画もあったように、選曲自体はすでにアルバム分絞っていました。結果、ミニアルバムになったとはいえ、その当時に選びながら収録できなかった花少年バディーズナンバーも、ライブ版『Before』ナンバーとして、このツアー中に披露しようとも思っています。
Tacky 残念ながら選曲漏れしたとはいえ、ぜひ形にしたかった楽曲たちも、ライブで披露しちゃいます。それで評判が良ければね。
Miney 第二弾もあり得ること。『Before』を、単なるカバー集ではなく、The Benjaminらしさを活かしたとても上質なミニアルバムとして昇華することが出来ました。我々としては第二弾を作りたい気持ちもありますけど。誰も花少年バディーズのカバー作品を求めてくれないのなら作る意味はなくなること。そこは、今回の『Before』のリアクション次第で考えようと思っています。

ツアーファイナルとなる5月1日のTSUTAYA O-WEST公演も含め、The Benjaminと一緒に、改めて花少年バディーズの持っていた上質なポップミュージックの数々を味わっていただけたら幸いだ。

TEXT:長澤智典

The Benjamin Web
http://thebenjamin.jp/
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https://twitter.com/badeggbox

★映像★

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The Benjamin/「Balloon」Trailer Ver 180sec.

The Benjamin – LIVE「Too Bitter, But Sweet」20180622 TSUTAYA O-WEST ダイジェスト

★音源情報★

前身バンド 花少年バディーズの結成10周年を記念してカヴァーアルバムをリリース。
TYPE-Aには2018.6.22 TSUTAYA O-WESTで行われたLIVE映像も収録。

タイトル:「Before」
アーティスト:The Benjamin
発売日:2019.2.13

【TYPE-A[CD+DVD]】
品番: BDBX-0055A
価格: \5,000 (税別)

CD収録曲:
1.Balloon 作詞/作曲:Minemura Akinori
2.ボールペン 作詞/作曲:Tsubuku Masatoshi
3.ブギウギ 作詞/作曲:Minemura Akinori
4.ベーコンレタスチーズバーガー 作詞/作曲:Minemura Akinori
5.ブランコ 作詞/作曲:Minemura Akinori
6.Bonjour 作詞/作曲:Minemura Akinori

DVD収録内容:
3rd Anniversary ONEMANSHOW 2018.6.22 at TSUTAYA O-WEST

「Too BItter, But Sweet」
1. SORA-Boeing229-
2. バーニングブライト
3. ベルガモット
4. バッターボックス
5. ブラシ
6. 絆創膏
7. Brother
8. BEGIN-不幸のドン底から奇跡の大逆転の始まり-
9. ブーゲンビリア
10. ボトルキャップ
11. バトンタッチ
12. ベーゼ
13. バニー
14. ベイクドチーズ
15. BATTLE FEVER
16. ビックリ箱
17. Bitter Love, Sweet Memory
18. 秒速2.0m/s
19. バスストップ
20. バーバラ

【TYPE-B[CD]】
品番: BDBX-0055B
価格: \2,300 (税別)

CD収録曲:
1.Balloon 作詞/作曲:Minemura Akinori
2.ボールペン 作詞/作曲:Tsubuku Masatoshi
3.ブギウギ 作詞/作曲:Minemura Akinori
4.ベーコンレタスチーズバーガー 作詞/作曲:Minemura Akinori
5.ブランコ 作詞/作曲:Minemura Akinori
6.Bonjour 作詞/作曲:Minemura Akinori

発売元:BadeggBox
販売元:BM.3

トレーラー動画

インストア情報は
http://thebenjamin.jp/news.php?id=276

ショップ別購入特典情報は
http://thebenjamin.jp/news.php?id=279
                                                        ★LIVE情報★

The Benjamin 4th Anniversary ONEMAN TOUR Respect 10th HSB 『B4U-誰よりも幸せになってやる!-』

出演:The Benjamin

■2019.4.6(土)
宇都宮HELLODOLLY
開場17:30/開演18:00
料金:前売り\3,800/当日\4,800(ドリンク代別途)

■2019.4.13(土)
会場:名古屋UNLIMITS
開場17:30/開演18:00
料金:前売り\3,800/当日\4,800(ドリンク代別途)

■2019.4.14(日)
会場:大阪JUZA
開場17:00/開演17:30
料金:前売り\3,800/当日\4,800(ドリンク代別途)

TOUR FINAL
『AFTER [B] HAPPINESS-スズランが咲いた日に-』
■2019.5.1(水)
会場:TSUTAYA O-WEST
開場17:00/開演17:30
料金:前売り\3,800/当日\4,800(ドリンク代別途)


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