小室友里、最新ミニアルバム『音返し-ONGAESHI-』全曲解説!!


小室友里と言えば、 96年から99年までの3年間、常にトップAV女優として君臨。当時、AV業界にもの凄い経済効果を生み出した伝説の女優である。引退後は、コラムニストとして執筆活動や女優業、評論家として活動。中でも、中心になっているのが、男女の恋愛トラブルを解消する「ラブヘルスカウンセラー」としての仕事。性活に悩みを抱える人たちの心の駆け込み寺として、男性に自信を与える勉強会を行なっている。
小室友里には、もう一つの顔がある。それが作詞家/シンガーとしての姿。とくに、プロレス団体DRAGON GATEに出場しているオネェレスラーのヨースケ♡サンタマリアの入場テーマ曲『サンタマリア・ウォーク』のシンガーへ抜擢されて以降、故・ハヤブサ選手の歌ったDRAGON GATEの公式テーマ曲『カーテンコール』へハヤブサ選手たっての希望からコーラスで参加したりと、DRAGON GATE関連の場で活躍している。
昨年は、小室友里としてデビュー20周年を迎えたことから、配信シングルとして『音返し-ONGAESHI-』を発売。DRAGON GATE RECORDS中澤矢束氏プロデュースにより、同レーベルより8月23日にミニアルバム『音返し-ONGAESHI-』を発売することが決定した。以下へ、収録曲について本人の語った言葉をお届けしよう。

                『re-smile、あれから僕らは』

『re-smile』は16年前に出した2ndシングル『Only One(of thr World)』のC/Wに収録していた曲であり、現在のプロデューサーであるDRAGON GATE RECORDSの中澤矢束さんに作曲をしていただいた、互いの出会いとなった楽曲です。
当時は、彼女に振られる歌として書きました。でも、振られたとはいえ、それぞれの人生は、その後も続いてくじゃないですか。あのときのカップルが20年後に会ったらどうなってるの?ということを題材に、ちょっと同窓会風に歌詞を書きました。

『summer snow 2017』

こちらは3rdシングル『Morning Breath』のC/Wに収録していた、同じく中澤矢束さん作曲による楽曲のアコースティックなスタイルによるリ・アレンジバージョンになります。
最初は、丸々歌詞を書き換えようと思ったんですけど、なかなか歌詞が降りてこなくて。『summer snow』にはお気に入りのフレーズもいろいろあったことから、ならばそれは生かしてしまおうと。当時の私はネガティブな感情を歌詞に詰め込みましたが、あれから歳月を重ね、今では「何でポジティブでなきゃいけないのか」も自分ではわかっているつもりです。そこから、「幸せだよと相手に伝えたり、私ハッピーですと自分のことを言うのも大事だよね」という想いを歌詞に書きました。当時と比べたら歌詞もだいぶハッピーになっているように、それが今の自分の心の在り方なんだと思います。

サンタマリア・ウォーク~マリアのキモチ~』

DRAGON GATEの試合会場の中、オネェレスラーとして活躍しているのが、ヨースケ♡サンタマリア選手。マリア選手って、女性から見たらとても可愛い性格なんですよ。オネェキャラで気持ち悪いんだけど、でも可愛い。その”キモカワ”なところが女の子たちにはウケています。しかもマリア選手を支持する女の子たちは、彼の性格や行動を自分に投影している人も多い気がします。私も彼に共感する面が強いからこそ、彼の気持ちと自分の想いを想像上とはいえシンクロさせながら歌詞を書きました。男性の方には、「女の子ってこういうことを思ってるんだよ」というのを感じてもらえたらなと思います。

『UNMORAL』

 私が行っている「ラブヘルスカウンセラー」をざっくり説明するなら、「男とのコミュニケーション」「男女間の恋愛トラブルを解消する」カウンセリングのお仕事です。最近多い相談事で言うなら、婚外恋愛や不倫についての相談。ミニアルバムに収録した『UNMORAL』は、私のところへ相談に来られる女性たちの気持ちを元に書き記した歌になります。
私のもとへ相談にへ訪れる人たちって,、最初の頃はSEXLESSでの相談で来る人が多かったんです。それが何時しか婚外恋愛の相談事が増えてきました。大半の人たちは、その関係を辞める辞めないではなく、胸の内にたまった想いを誰かに聞いて欲しい人たちなんですね。みんな気持ちの行き場がなくて、心の中をグルグルしている。不道徳とはわかっていても「それでもあなたのことが好き」という気持ちを、ここには記しました。

『音返し-ONGAESHI-』

アダルト業界出身で、当時と同じ名前のまま、しかも一度も復帰することなく現役でこの世界でお仕事を続けてる人って、私以外いないと思います。それは誰のおかげかと言ったら、今でも支えてくださる元事務所の社長や、AV女優時代からずっと私のことを応援してくださっている方々のおかげなのは間違いないこと。その人たちが支えてくれなかったら、今の私は、この世界には絶対にいないです。だからこそ、その想いを音楽を通して返したくて『音返し-ONGAESHI-』の歌詞を書きました。
配信シングルとして発売したバージョンはハイブリッドなサウンドでしたが、アコースティックバージョンへ変えたことで、楽曲の雰囲気はぜんぜん変わりました。これはアルバム収録曲全体に言えることですが、今回ウィスパーな歌い方を軸に表現しています。私自身も、こういう優しい歌い方が、肩肘張らない今の私らしい歌い方だなと感じています。


『音返し-ONGAESHI-』で終わる形も取れたんですけど。感謝の想いで締め括るよりも、「これからも私は歌い続けていくし、これはまだまだ夢の途中だから」という意志を伝えようと、「この先の自分」を示唆した『夢の途中』を最後に持ってきました。夢って叶ったら終わりじゃないですよね。次の夢が現れて、その夢を叶えるためにまた歩き出す。その時誰かが隣にいてくれたら、こんなに幸せなことはないですよね。
      
アコースティック・ミニアルバム『音返し-ONGAESHI-』には、今現在の小室友里の心模様が、収録した6篇の楽曲を通しリアルさを持って描き出されている。一人の女性としての人生の機微に触れながら、あなた自身も日々を歩むうえでの心の参考にしていただけたら幸いだ。

TEXT:長澤智典

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