ミュージック・ジャパンTV「ヴィジュアル刑事Z」presents 一斉検挙 vol.01レポート


 2015年11月16日(月)、渋谷REXを舞台にミュージック・ジャパンTV「ヴィジュアル刑事Z」presentsによるイベント「一斉検挙 vol.01」が行われた。出演したのは、二面性メランコリア/NEiK/DEEP RAVE/Lig/GENGAH./Dear Lovingの6バンド。この日の模様をレポート。
 この模様は、12月1日よりミュージック・ジャパンTV「ヴィジュアル刑事Z」内でオンエア。番組自体はリピート放送も多いので、ぜひチェックしていただきたい。
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                二面性メランコリア

冒頭から猛々しくも疾走さを持った『Ghost』を炸裂させたのが、二面性メランコリア 。デス声を重ねながら激しく煽る姿勢を魅せてくとはいえ、ときにゆったり転調したり歌を活かしたりと、楽曲内へ巧みにドラマを描き出してゆく手腕はなかなかのもの。激しい中にもつかみを持った表情を投影してゆくところが、この楽曲の、いや、二面性メランコリアの魅力だ。
『イクス』でもデスボイスと歪む重厚な音で攻めつつ、1曲の中へメロ/デス硬軟巧みに表情を描き出していた。現状は、目の前の観客たちの感情に火を付けてゆく煽り系スタイル。だが、ドラマ性作り出すその手腕をもっともっと楽曲の中へ表情豊かに活かしてもらいたいとも、彼らのライブを観ていて素直に思ったこと。
過激さはさらに増し出した。『letter』を通し、観客たちを熱く煽るメンバーたち。暴れる曲の中でさえしっかり歌を響かせてゆくところも、観てる側としては嬉しい。
最後の『二面性メランコリア』でも猛り狂うアグレッシブな音を叩きつけ、場内の人たちの感情を熱し続けていた。終始暴走し続ける演奏とはいえ、メロや物語性を描き出す手腕を持っていそうな連中だけに、それを今後どう花開かせてゆくのかに期待したい。
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                   NEiK

 NEiKも、ド頭から歪みを上げた激しい音を突き付け、場内の人たちを上へ上へと跳ねさせていた。『セツナガタリ』と記したように、刹那な歌メロもサビに投影。むしろ、サビで一気に頂点へ浸れる流れを持った楽曲構成と言えようか。全体的に激しさがあるとはいえ、あくまでもその要素は、観客たちの感情を煽るための手段とも捉えられた。
続く『cry for pried』は、攻めを重視したナンバー。重厚なヘヴィグルーヴ音の上で、抑揚を持った歌を響かせてゆく。ライブに於ける臨場感を大切にしつつも、 NEiKの根っこにあるのは「歌」を届けてゆく姿勢。そのバランスをもっとライブで活かせるようになったら、バンドの魅力は倍加していきそうだ。
軽快に、でも確かな重量感を持って駆け出した演奏。『JESTER』に触れながら、どんどん高ぶる気持ちを胸に抱いていた。疾走する演奏とシンクロする形で、聞き手の感情を高揚した歌がグイグイ押し上げてゆく。途中、煽りのバトルも組み込んだ理由も加味され、何時しか場内中の人たちが暴れの渦の中に巻き込まれていた。
歌始まりの『Immediase』では一気に歌に心が惹かれ、そのまま荒れ狂う演奏に誰もが心地好く身を預けていた。まだまだ未完成とはいえ、その歌がもっともっと胸に響くようになったら、さらに気持ちがはしゃいでしまうかも知れない。
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                  DEEP RAVE

 とてもメロウで切ない歌を響かせた『Dear…』からの幕開け。なんて美しくも、胸をキュッと疼かせてゆく温かい始まりなんだ。DEEP RAVEの歌は、その場にいるDearsへ愛した想いを告げているよう。歌に口説かれる?!…何時しかその場に居た一人一人が、愛の告白を受けたヒロインになっていた。
暖かな想いに情熱を注ぎ込むように、荒々しく歌と演奏が炸裂。『Labyrinth』が場内に作りあげた熱狂。でも、その狂騒は、歌に気持ちが煽られてのもの。体感的な衝動ではなく、楽曲が持つ説得力に惹かれ身体を揺らしてしまう。それが嬉しいじゃない。それにしてもヴォーカルは河村隆一のようだ。いや、DEEP RAVE自体がLUNA SEAフォロワーな存在と言うべきか。
宇宙(そら)へ吸い込まれそうなくらい、とても雄大な楽曲だ。『Messiah』が、触れた人たちの感情を、その懐の中へ瞬時にして飲み込んでゆく、それくらい強い訴求力を持った歌。ライブハウスという空間では収まりきれないスケール大きな、しかも説得力を持った楽曲なのが嬉しいじゃない。彼ら、もしかしたら途轍もない存在になりそう?!
続く『PIERROT』は、DEEP RAVE流の熱狂バトル系ナンバー。でも、気持ちを熱く揺さぶるつかみを持った楽曲のように、何時しか朗々とした歌と激烈な演奏に惹かれていた。
最後は、DEEP RAVE流『WISH』ナンバーとも言うべき『CALM BLUE』だ。歌の持つ力に耳と心が惹かれ、エナジー放つ演奏に身体が熱を憶えてゆく。これからもっともっと”自分たちらしさ”を見い出したとき、DEEP RAVEは大きく翼を羽ばたかせるかも知れない…。
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                   Lig

 なんて胸をキュンキュンとくすぐるキャッチーな歌なんだ。Ligの『DAYS』が、触れた人の心にキラキラと刹那二つの魅力を注ぎ込んでゆく。嬉しいのが、音量高い演奏で誤魔化した熱狂を作るのではなく、しっかりと歌で…楽曲の魅力で、観客たちをはしゃがせてゆく姿勢。そこへもっと説得力を加えるためには、もうちょっと演奏レベルの向上も必要だが…。
一緒に振りをしながら。その場でともに想いと熱気を共有していった『自己中心希望観測的恋愛論』。胸くすぐるポップ性と身体弾ませる明るいビートをミックス。一緒に振り真似ながら踊りたくなるのも、納得だ。
一転、とても哀愁味を持った歌が流れだした。が、サビ歌が終わったとたん、和ロックな演奏を描き出したのが『恋HANABI』。刹那や和という雅な要素を活かしながらも、演奏は明るくポップに弾んでゆく。とても、胸をそわそわはしゃがせる楽曲じゃないか。
観客たちが左右に走り出した。場内を踊りの宴に変えたのが『ホロスコープ』。気持ち高ぶらせる歌を軸に据えながら、演奏も明るく駆け続けてゆく。はしゃがずにいれない?!。まさに、そんな気分だ。
これまでのポップ感を活かしながらも、そこへ激しい毒を注ぎ込んだのが『ヒトリゴト』。身体を揺さぶる熱い演奏に触発され、場内でも暴れる人たちが続出。一緒に振りをし、ともに首を振りながら。でも、しっかり歌を心に感じつつ、誰もが笑顔で熱狂し続けていた…に違いない。
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                  GENGAH.

 鋼のような重くもソリッドな音を、タイトなビートに乗せぶつけてきたのがGENGAH.。デス/ラウドロックな要素を持ちながらも、鈍い音を放つ演奏の上で朗々とした歌がゆったりと踊りだした。『the Blood』を通しGENGAH.は、楽曲が求めている姿勢を瞬時に、明瞭に提示してくれた。
 暗黒に…奈落へと観客たちを堕とし込むよう、重量感たっぷりに『Anonymous』が轟きだした。何時しか場内は黒い儀式(ミサ)の場にと変貌を遂げていた。
祈りを捧げるような幕開け。だが、演奏は次第に重厚さと重量を増していく。ゆったりと、大きく重いうねりを場内に作り出した『eches』。場内の客たちは、その演奏と姿に圧倒されたのか、身体釘付け状態のままじっと舞台上を凝視し続けていた。
クリーントーンのギターの音色の上で、今にも壊れそうな想い堪えるよう『COLD RAIN』を歌い上げてゆく。とても静かな、でも重厚な影を隠し持った刹那なバラードだ。
演奏はふへたたび重い狂気を剥き出した。『Merry go round』が、感覚をぐるぐる奈落へと引きずり込んでゆく。重い唸りが、次第に激しさを増すそのうねりが、むしろ恍惚だ。最後に振り下ろした『Stub a knife into the heaven』まで、黒い熱狂と恍惚をGENGAH.は場内に塗りたくっていった。
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                 Dear Loving

 その演奏に触れた瞬間、一気に身体が弾み出した。無条件に気持ちをウキウキ弾ませてゆく、なんて胸を爽やかにくすぐるポップナンバーなんだ。『今世紀最大限のラブソング』は、今世紀最大の?!キャッチーな歌。そう言いたくなるくらい、すでに場内は、Dear Lovingの作りあげたウキウキとした気持ちの躍動抑えられないロックなワンダーランドに変貌していた。
胸をくすぐるソリッドでタイトなロックンロールナンバーが流れだした。『サムライソウル』を通し、Dear Lovingは観客たちを熱狂のパーティへと招き入れた。ストレートアヘッドなバンド。だからこそ、その音に身体を預け、一緒に無邪気に暴れたくなる。
小芝居仕立てのMCも挟みつつ、A型以外の人をボロクソに貶した?!『A型のA型によるA型のためのええ歌』へ。この手のシニカルさとつかみを持ったロックナンバーも、Dear Lovingの魅力の一つ。さすが、そこは関西人気質活きた表情か…?!。
好きな人へ想いを告白するように?!。アコギの音色に乗せ、暖かな想いをたっぷりと歌へ注ぎながら、ハートフルな『幸せのカタチ』を温もりたっぷりに歌いかけてきた。この優しさが胸にグッとせまってきた。だから、Dear Lovingの歌から離れられなくなる人たちも多いのだろう。素敵な幸せのカタチを、彼らの歌を通して受け取った気分だ。
ここで、いきなりミネムラ刑事とツブク巡査が乱入。しかもミネムラ刑事は、舞台上でDear Lovingのメンバーと一緒に自撮り!!。これは、完全に予定外の行動。この模様も、番組では流れるかも!?なので、お楽しみに。
ライブも終盤戦へ。『RABBIT JUMP!!』では、その名の通り観客たちもゴキゲンなロックンロールナンバーに乗せ跳ね続ければ、最後の、胸をグッとくすぐり高ぶらせる『LOVE ME』では、誰もがDear Lovingの演奏に合わせ大きく手を振り、この一体化した熱狂を存分に楽しんでいった。
 止まない熱狂の声を受け演奏したDear Loving流クールだけど熱いアンコールナンバーまで、場内に生まれた熱気をしっかりとDear Lovingは高ぶらせ続けてくれた。

次の収録ライブは、1月中旬に渋谷REXを舞台に行われる予定だ。次回のイベントにも、ぜひ足を運び、一緒に体感していただきたい。もちろん、番組もしっかり観てくれよ。

                  PHOTO:豊島麻由美 /TEXT:長澤智典

ヴィジュアル刑事Z 
http://www.mjtv.jp/lineup/visual_deka_z/
http://v-deka-z.net/


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