「生きることから逃げないために、あの日、僕らは「生きる意味」を叫んでいた。ライブ演劇集団「生き逃げ」が「囚人博覧会」を開催!! 


演劇を軸に据えながらも活動の拠点をライブハウスに置けば、オケ+生演奏というスタイルも組み込み、ミュージカルとは異なる劇中ライブも差し挟む表現姿勢を見せてゆくライブ演劇集団「生き逃げ」こと「生きることから逃げないために、あの日僕らは逃げ出した」。
7月19日(金)、彼らが主戦場としている新宿Live Freakを舞台に、「第一回囚人博覧会〜パンツぐらい履こうぜ、とりあえず〜」を行った。今回は演劇要素を取り外し、ライブを軸に置いたスタイルで実施。とはいえ、既存の枠にとらわれない表現を求める「生き逃げ」のように、舞台で先に披露していた劇中歌を並べるような安易な形を取るわけがない。

そこは、路面を強く打ちつける雨の日だった。真っ赤なパトランプの光とサイレンの音が鳴り響く中、ライブは幕を開けた。じつはこのシチュエーション、「生き逃げ」の最新舞台「逆襲の花束」の終盤に登場した場面。生きる希望を失った囚人たちが、生きる意味を見いだし刑務所を脱獄。逃げた先で、警官たちに囲まれたシーンを再現する形を取ることで、「生き逃げ」は、一つ一つの行動がすべて線で繋がっていることを伝えてきた。
冒頭を飾った『叫び』は、激しく躍動するラップメタルな演奏を背景に、囚人たちが、なぜ”脱獄=生きる意味を見いだした”のかを、みずからの心の叫びをラップ(叫ぶような語り)に乗せて突きつける形で始まった。先の舞台を見ている人たちはすんなりと物語へ感情移入していけば、初めて観る人たちのためにと、彼らは、囚人たちが生きる意味を求める背景と、それぞれのキャラクターたちの生い立ちをそこでつかめるように、心の叫びの中へ自己紹介を巧みに織りまぜて表現。楽曲が持つ高揚感を持って観客たちの気持ちを引き寄せ、そのうえで「生き逃げ」が表現の軸に置いている、「言葉の力を信じている」という姿勢を示していった。
「生き逃げ」のライブは、楽曲を並べ立て、歌うだけのステージではない。1曲1曲の中へ「生きる意味」を問いかけた言葉を詰め込み、絶望にさいなまれ罪を犯し収監された囚人たちが、絶望の中から改めて生きる意味を見いだそうと自問自答してゆく様を観客たちへ示すところに大きな特色がある。
『SayWhat!?』の中でも、彼らは「生きることから逃げないために」と自問自答した言葉を繰り返してゆく。そこで得た答えを「生きるのか また逃げるのか」と『生き恥さらし』を介して、みずからや仲間たちへ問いかける。そのうえで『アディオス』を通し、「俺らの血液 赤い旗」と仲間たちと気持ちを一つに結び合い、囚人たちそれぞれに「自分が生きてゆく理由」をつかんでは、確信へ変えようとしていく。

単なる曲の羅列ではない。1曲ごとに強烈なメッセージを組み込めば、それを連なる形で構築することで、観客たちは楽曲の持つ躍動感に興奮を覚えながらも、彼らと一緒にみずからの「生きる意味」を心の中へ問いかけながら、共にライブ劇を形作る仲間として何時しか物語を彩る大切な役割を担ってゆく。囚人たちの宴を観に来たつもりが、何時の間にか自分たちも囚人たちの仲間となり、何故、生きてゆくのかの意味を、自分の心へ問いただしていた。単なる感情移入ではない。自分自身も「生きるための熱」を心に抱き、「生きることから逃げないために」と一緒に高揚した気持ちを拳や身体を揺さぶる姿に変えながら、舞台へぶつけていた。

中盤には、「囚人ベストテン」という形を取り、「生き逃げ」のメンバーたちが様々なアーティストに扮し、シニカルな歌の数々を披露。激しいラップを突きつけたラップメタル曲の『蛙の合掌』や、哀愁抱いたブルーズなロックナンバーの『何にもなくなっちゃった』。竹原ピストルの『ぐるぐる』をアコギの演奏を背景に絶唱すれば、『今夜君を連れて』では、アイドルグループに扮したメンバーたちが青春歌謡曲を歌い踊る場面も。さらに『ロキソニン』では、オートチューンも駆使したEDMナンバーに乗せて奇妙なパフォーマンスを見せていた。
もちろん「囚人ベストテン」という形を取っていたように、司会者たちによるランキング形式での発表もあれば、合間のCMまで、メンバーたちが実際のCM音楽に合わせコミカルに模倣するなど、9人のメンバーたちが取っかえ引っかえ、それぞれのシチュエーションに合わせ早着替えしながら表現。その奮闘ぶりとシニカルな表現に笑いながらも、枠にとらわれない幅広い音楽性を表現してゆく様に、彼らが単なる演劇集団ではない、音楽も軸に据えた表現者たちである姿勢を強く感じさせられた。

他にも、ヒップホップ+EDMなスタイルを示した『木魚バター』や、会場中をディスコ空間に染め上げた『かつらがとれた』を披露。その後ふたたび、雨降りしきる中、警官たちに囲まれ逃げ場を失った冒頭の場面へ。囚人たちは「限界は自分で決めたもの、俺はそれを乗り越えてやる」「今日を精一杯生き抜いたぞ」「笑うなら笑え」など、たとえ無様な姿だろうと、それぞれに「生きることから逃げない姿勢」を叫びながら、巧みに観客たちをアジテートしていった。全力で叫びながら、「何があっても生きることから逃げるな」と強くメッセージを突きつけてゆく。そのうえで、最後に「生き逃げ」のメンバーたちは手にしたタオルを振りまわし、「この手を伸ばして」と『順風満帆』を歌いながら、会場中の人たちと熱狂を分かち合っていった。何時しか誰もが、ふたたび「生きる意味」を自分の胸に問いかけ、「生きることから逃げない」気持ちを心に輝かせていた。

アンコールでは、高田エージの『永遠』をカバー。会場中の人たちと一緒に「永遠だったらいいなぁ」と歌いながら、「第一回囚人博覧会」の幕を閉じていった。

単なるライブではない。「何故、生きるのか」の意味を、「生き逃げ」は舞台劇のように組み立てながら、ライブパフォーマンスを通して伝えてきた。ライブに心や視線が釘付けになりながらも、気がついたら観ている側の人たちが、「生きることから逃げないため」の勇気を囚人たちからもらっていた。そのエナジーを「生き逃げ」は「生きざまを表現する舞台」を通して与えてくれる。
新しい舞台劇は来年になるが、年内はライブを軸に据えた今回のようなスタイルでライブ劇を披露する予定でいる。次の動きが、また楽しみになってきた。

TEXT:長澤智典

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<ライブインフォメーション>
【第二回囚人博覧会 年末スペシャル 2DAYS】
12/28(土)初日「でっけぇでっけぇ夢を抱いた、小さな小さな檻の中」
12/29(日)ファイナル「壁ぶち破ってブラジルまで」

★2Days通しチケット購入者特典「生き逃げ 新曲CDR」

場所:新宿LiveFreak
時間:OPEN 18:30/STRAT 19:00(2日間共通)

チケット料金:1Dayチケット ¥3,000(D代別途)
       2Days通しチケット ¥6,000(D代別途)

チケットプレイガイド:eプラス
先行発売 8/31(土)~9/7(土)
一般発売 9/28(土)

<eプラス特別先行発売 8/31(土)AM10:00 ~ 9/7(土)PM23:59>
●1Dayチケット 12/28(土)購入ページ https://eplus.jp/sf/detail/3047430001-P0030001
●1Dayチケット 12/29(日)購入ページ https://eplus.jp/sf/detail/3047480001-P0030001
●2Days通しチケット 購入ページ https://eplus.jp/sf/detail/3047500001-P0030001