萌えこれ学園、赤坂BLITZ単独公演で目標達成ならずも、追試公演が決定。「この熱気が一人でも多くの人たちに伝われば、何時か武道館の夢は叶う」。14人で誓い合ったBLITZ公演。


2014年4月1日に開校、学園をテーマにしたアイドルグループの萌えこれ学園。2014年10月に赤坂BLITZを舞台に主催イベントを開催。2015年10月には、赤坂BLITZで単独公演を実施。2016年も赤坂BLITZで単独公演を行えば、今年も10月3日(火)に4年連続。日本武道館へ立つために乗り越える飛躍の場として、萌えこれ学園は動員600人を目指し赤坂BLITZの舞台に立っていた。
今年は「HELLO FRIENDS! Vol.3」と題し、昼の部を主催イベントとして開催。夜の部に「〜Go to 武道館 3rd stage 熊野はる生誕祭〜」と掲げ、こちらは単独公演という形で行った。しかも、この日は10月7日に32歳の誕生日を迎える、「先生」こと熊野はるの生誕祭を兼ねて実施。昼の部でも、大勢の仲間たちと一緒に会場の熱を作りあげていた。ここでは、夜の部として行った単独公演の模様をお伝えしよう。

 この日は、1階の客席はほぼ埋め尽くした常態。ライブは、スクリーンへ映し出されるメンバーらが次々姿を現す形でスタート。フロアー中の人たちが立ち上がり、舞台上へ熱い声援をぶつけてゆく。共に気持ちを高め合い、これから最高の「授業」(ライブ)を作りあげようと、誰もが熱く胸をたかぶらせていた。
いきなり銀テープが発射され、巨大なCO2の柱が吹き上がると同時に、萌えこれ学園のライブは『BRAVE』からスタート。沸き上がるファンたちへ挑むかのように、彼女たちは凛々しく力強く歌声を突き付けてゆく。歌いかけるじゃない、舞台上の彼女たちは気合いと共にその歌声をフロアーへ向け叩きつけていた。熱気が渦巻く場内。この日、何か嬉しい瞬間に立ち会えそうだ。
 熱狂求める観客たちへ、「もっともっと熱くなれるだろう」と煽るように、萌えこれ学園のメンバーたちはたかぶる感情をダイレクトに歌声へ、情熱満載で『again』にぶつけていた。可愛いさを封印し、挑む姿勢で感情を投げかける。その気持ちに触発されたファンたちの叫び声に熱が籠もってゆくのも納得。
 「赤坂BLITZ、もっと盛り上がっていくぞー」、熊野はるが煽る。『恋の魔法』が会場中の人たちへ熱狂の呪文をかける。笑顔を浮かべチャーミングに歌う姿は、それだけで元気をチャージしてくれる。そう、彼女たちの存在自体が、この会場に集まった人たちには幸せと熱狂と笑顔をくれる魔法。歌詞の一節じゃないが、このニヤニヤは「君のせいだよ」。

ここで、この日最初のサプライズとなる仲川つむぎのソロ曲発表のコーナーへ。「誰よりも気持ちの籠もった素敵な名曲になりました。この歌が世代を超えて広く愛されますように」。仲川が歌ったソロナンバー『白いキャンバス』は昭和(70年代)の香りを携えたアイドル歌謡曲。天地真理の再来!? と思わせる曲調と透明感あふれる歌声は、彼女の純朴な性格にお似合いだ。まさにあの時代を彷彿とさせる空気感を漂わせていた。 
 続いて、この日CDを発売した花岡香奈がソロナンバーを携え、登場。「ソロ曲を形としてみなさんにとどけられることが本当に嬉しいです。みなさんは私にとってかけがえのない存在です」。その言葉に続いて花岡香奈が歌った『片想いキャンディー♡』は、ドキドキ弾んだハートを撃ち抜く。フロアー中に彼女のテーマカラーであるオレンジのサイリウムの光が眩しく揺れ続けていた。花岡も舞台上をめいっぱい駆け巡り、ドキドキときめく気持ちを胸をキュンキュンに弾ませながら歌声に乗せた。その甘い衝撃にとろけそう。これにはもう、「大好きが止まらない」。
ソロコーナーの最後をシメたのが、熊野はる。彼女は真っ赤なドレスを身にまとい、バラードの『Give me a kiss』を告白するかのように歌いながら、舞台上へ姿を現した。その麗しい姿に会場中からどよめきが。歌っている間も、熊野はるに向けられたたくさんの赤いサイリウムのエールが揺れていた。
一転、ここからは感情のボルテージを一気に上げながら、熱狂のエナジーほとばしるコーナーへ。熊野は、『Ready go!/Red voice』をメドレースタイルで熱唱。高鳴る感情を朗々と歌う姿の、なんと雄々しいことか。パワフルなシンガー熊野はるの真骨頂を遺憾なく発揮したステージングがそこには描き出されていた。
 「どーですか、ドレス姿。言葉にならないとはこういう感情なんですね。あと4日で32歳になるんですよ。32歳でアイドルをさせていただいて、しかも4年連続で赤坂BLITZで生誕祭をやってるんですけど、なかなか熊野はるの名前が世の中に浸透せぇへんなぁと思ってて。なんか上手く生きれてない私が、ここで歌っていれるのもみなさんのおかげ。もっと自慢の出来る熊野はるに成長していきたいと思ってます」
新たな決意を語ったあとに熊野は『High Jump!!』を熱唱。自ら明日へ飛び出そうと、みんなを引き連れステップを踏みながら、力強く「背中を押すから」と歌っていた。

 熱狂のバトンを受け取ったメンバーたちは、1曲ごとに代わる代わるメンバーを変えながらパフォーマンスを披露。彼女たちは「萌えこれ学園メドレー」と題し、タオルを振りまわし『風と君と虹と僕/ぱすてるサマータイム/ミラクる☆妄想がーる/明日へ』と曲を重ねては、場内中にキラキラとした眩しい熱狂の風景を描き続けていく。気づけば、そこには「最高の景色」が広がっていた。
そして、「夢の続きを追いかけている」と、誓いを交わすように『星の記憶が降る夜に。』を歌い上げ、仲間たちと明日へ繋がる約束を交わす。まだライブは中盤ながら、そのドラマチックな展開と、歌に込められた決意に胸が熱く震えた。彼女たちは、込み上げてくる涙を隠したくて、つい声を張り上げているようだった。

ここで、萌えこれ学園の新曲を立て続けに披露。「0から1へ変える想い」を詰め込んだ『「0」(zero)』は、早鐘のように鳴る鼓動のような速いビートの上で、沸き上がる熱情を吐き出すようにぶつけた高揚ナンバー。青春の叫びに似たその歌と巧みなフォーメーションでドラマを描き出すダンスに、心は熱く踊りながらも視線はズッと舞台上へ釘付けになっていた。なんて魂を高揚させるドラマをもった歌だろう。
「一歩今踏み出すよ、この空へ」。眩しい輝きを放つ『Shiny Dream』は、気持ちにときめきと真っ直ぐな情熱を注ぎ込む楽曲。今という青春の姿を、これから待っている未来の輝きを、一緒に体感させてくれるようだ。この歌に触れている間、ずっとずっと青春の眩しさに包まれていた人たちも多かったのではないだろうか。

ライブも終盤へ。「これからも沢山の夢をみんなと繋いでいきたいです」。『タイムレシーバー』が、心へ確かな繋がりを持った想いをとどけてくれた。その歌声は、僕らと彼女たちを繋いでゆく。互いに想いを飛ばせば、その想いはお互いにキャッチ出来るんだよ。彼女たちが高らかに叫んだ「届いて」の歌声が、ずっとずっとそう心に突き刺さってきた。
最後は、感情の籠もった歌声を通して互いに心を抱きしめ合おうと、情熱哀歌『時の砂』をメンバーたちが力強く歌い上げた。歌声に込めた強く深い想いや心の叫びは、確かに心を揺さぶってくれた。その声を、全身でしっかりと抱きしめていたかった。

熱狂の声を受け始まったアンコールのステージ。披露したのが、最新シングルナンバー『夢幻華』。衣装も、この曲に合わせた姿へ。『夢幻華』は雅な香りをふんだんに醸し出す、情熱的で艶やかで華やかなアッパーチューン。彼女たちの妖艶な踊りと躍動する楽曲が、理性をどんどん壊していく。艶やかな宴の中、誰もが心を淫らに開放し踊り狂う。なんて情熱的な宴曲だろう。ライブで声張り上げ喧騒にまみれる、そんな楽曲が新たに萌えこれ学園に加わった。

 「みんなと一緒に日本武道館へ行く」。その想いを、ここでメンバーらが改めて力強く宣言。会場に集まった仲間たちとの途切れさせたくない気持ちを互いに確かめるように、萌えこれ学園が歌ったのが『ありがとうのうた』。リードを取った熊野が涙ぐみ歌えなくなれば、何時しかその心の雫はメンバーたちやフロアーを埋めつくした仲間たちにも伝播。想いを込めて歌いとどけた「ありがとう」の声。一人ひとりがその言葉に対し「あなたが必要だから」と心の中で呟いては、同じく「ありがとう」という心の声に変え、彼女たちとこの時間を共に共有できた喜びとして噛みしめていた。
興奮と感動と喜びすべてを弾ける想いと叫びに変え、熱い心のキャッチボールをするかのような『すき! すき! 好き!!』。会場中の人たちも一緒にはしゃぐ。気づけば、誰もが笑顔を浮かべていた。やっぱり、この授業に笑顔は欠かせない。大好きだよ、この学園が……。

 ここで、熊野はるの生誕祭を実施。さらに、この日の動員結果を発表。結果は522名
と目標の600人にはとどかず。数字というシビアな結果も受け止めねばいけない現実だ。しかし、この日この会場に生まれていた本気で互いに求めあう熱気と想いがあれば、描いた夢はきっと叶うと信じたい。そのためにも、一緒に夢を叶えたい。そう思っていた人たちも多かったに違いない。
今回の動員が確約出来ていたときに発表する予定だった中野サンプラザ公演は、延期。だが、来年には必ず中野サンプラザ公演を現実しようと彼女たちは誓った。その前に、来年「追試」という形で赤坂BLITZ公演を行うことも発表。急遽、追試を行うことを決めたことから、この日の時点では具体的な日程は未定。この熱気をもっといろんな人たちが知れば、彼女たちの夢はきっと叶う……今は、そう信じたい。

「達成出来なくてごめんなさいと言いたくないです、だって、こんな500人以上の人たちと過ごしてきた時間がすっごく楽しかったもん。今日ほど追試をしたいと思ったことはないです。絶対についてきてください」(熊野はる)。
最後の最後、メンバーとファンの人たちと一緒に『校歌』を生声で斉唱。「青春の汗と涙を胸に」という歌詞通りの気持ちをまた味わえるのなら、何度だって集いたい。この集いにもっと仲間を集め、一緒に笑って泣いて沸きたい。彼女たちの動向をこれからも追いかけ続けて……いいですか!?

TEXT:長澤智典

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<セットリスト>
『BRAVE』
『again』
『恋の魔法』
『白いキャンバス』(仲川つむぎ)
『片想いキャンディー♡』(花岡香奈)
『Give me a kiss』(熊野はる)
『Ready go!/Red voice』(熊野はる)
『High jump!』(熊野はる)
萌えこれ学園 メドレー『風と君と虹と僕/ぱすてるサマータイム/ミラクる☆妄想がーる/明日へ』
『星の記憶が降る夜に。』
『「0」(ZERO)』
『Shiny Dream』
『タイムレシーバー』
『時の砂』
<ENCORE>
『夢幻華』
『ありがとうのうた』
『すき!すき!好き!!』
『校歌』


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