男性3ヴォーカルグループJ-NUiNE(ジェニュイン)、会場をソールドアウトさせた初ワンマンライブ「J-NUiNE ONEMAN “BEGiNNiNG”」の模様を詳しくレポート!!


 2016年9月から活動をスタート。路上ライブを軸に据えながら、J-NUiNEは着実に自分たちの土台を固め、大きなステップを踏むための土壌を耕し続けてきた。その真価を問う一つの舞台や次なるステップへ踏み出すための最初の挑戦であり、これまでの歩みの成果を示す場となったのが、4月28日(金)に渋谷Club Asiaで行った初ワンマンライブ「J-NUiNE ONEMAN “BEGiNNiNG”」だった。

 これまでストリートを軸にライブ活動を続けてきた理由も大きいのだろう。場内は、10代や20代前半の人たちが多くを占めていた。中には、年齢層の高い人の姿も。何より嬉しい驚きだったのが、ファンは女性が中心とはいえ男性ファンも3割強はいたこと。いわゆるミーハー支持ではなく、彼らの歌声に興味や刺激を受け、会場に足を運んだ人たちが多いのもJ-NUiNEの大きな強みだ。用意したチケット300枚はすべて完売。活動から半年強とはいえ、J-NUiNEは着実に仲間を増やし続けている。

J-NUiNEは、会場中の人たちを暖かな自身のフィールド(自宅)へ呼び込んでくれた。これから始まるライブが、一緒に描く輝く未来への道であることを指し示すように…。

J-NUiNEのライブは、これまでの彼らの歩みを振り返る映像からスタート。レッスン風景やストリートライブ、ライブハウスで歌う姿が次々と映し出されてゆく中、時間は現在へ。自らの歩みの続きを描くように、3人が舞台上へ姿を現した。
沸き上がる黄色い歓声。「1stワンマンライブ盛り上がっていこうぜ!!」、メンバーの煽りを受け最初にJ-NUiNEが歌ったのが、UNIONEの『未来DELIGHT』。軽快なビートに飛び乗り、3人は満面の笑顔で沸きだした熱の中へファンたちを呼び込んでいく。温かい3人の歌声に誘われたとたん、身体が前へ前へと引き寄せられていた。3人の声に合わせ一緒に声を上げる人たちも。冒頭からJ-NUiNEは、会場中の人たちを暖かな自身のフィールド(自宅)へ呼び込んでくれた。これから始まるライブが、一緒に描く輝く未来への道であることを指し示すように…。

「僕たちは結成してからずっと路上で活動をしてきました。その頃に歌い続けてきた曲を披露したいと思います」。祥耶の言葉に続いて流れたのが、ORANGE RANGEの『花』。祥耶の憂いを帯びた低音声に、一輝と脩平が優しく中高音域の歌声を重ねていく。ときにはマイクをリレーしながら、ときには一人の歌声へ二人が寄り添うように声を重ね、彼らは歌の中へドラマを描いてゆく。泣けるこの曲へ、3人はより切ない涙の情景を、美しく切ない、でも確かな力を込めたハーモニーを通し描き出していた。馴染みの歌?!。そうかも知れない。だけど、何時もとは異なる風景が心に浮かんでいたのも事実だ。

その景色は、C&Kの『ぼくのとなりにいてくれませんか?』を歌ったときも同じように見えていた。気持ちをギュッと詰め込んだ一輝の歌声からの幕開け、彼の想いを受け取るように歌う脩平。脩平の歌声へ一輝の歌声がふたたび重なれば、サビでは込み上げる気持ちへ優しく熱を添えるように祥耶の歌声が折り重なってゆく。誰もが、3人の胸を打つ美しいハーモニーに釘付けになっていた。ただただ視線や心を舞台上へ注ぎ、J-NUiNEの作り上げた心潤す愛の告白をしっかり胸で受け止めていた。

ノルタルジーな気分?!。切々と流れるピアノの音色の上で、あの頃を思い出すように3人が木山裕策の『HOME』を紬ぎだした。「帰ろうか、帰ろうよ」、壊れそうな気持ちをグッと堪え歌う3人の声が、心の奥底へ閉まっていたいろんな恋の思い出を呼び起こしていく。消えないくらい切なくて悲しい想い出を心に仕舞い込んでいた人ほど、3人のハーモニーは、その人の刹那な心をギュッと抱きしめてくれたに違いない。何より涙腺を刺激し、忘れていた涙をソッと落としてくれた。

今にも滴零れそうな歌声を響かせた脩平。過去の思い出を反芻しながらも、大切な君を離したくないと決意に満ちた声で歌いかける祥耶。サビでは、2人の歌声へ一輝が、強い意志を届けるように愛の満ちた歌声を重ねてきた。東方神起の『Forever Love』を胸に受け止めながら、彼らの愛の告白へズッと心が惹かれていた。とくに女性たちは、3人の告白に気持ちが奪われ、ただただ思いを受け入れるがままに立ちすくんでいた。それくらい愛情の籠もった3人の歌声を、すべて零さないよう二つの腕で受け止めていたかった。

3人の原点とも言える歌唱スタイルをたっぷりと味わえる舞台へと物語は進んでいった。

MCコーナーでは、本番前の3人が緊張を誤魔化すために話していた会話の内容をトーク。「みんなをモヤシと思えばいい」と一輝が言えば、脩平が「みんなもしやみたいに細くないねん」と毒舌を発揮。そんな会話をバラした祥耶は、この日は緊張のあまり5時起きだったことも二人にばらされていた。

 ここからは、ソロコーナーへ。もともと3人ともソロ活動をしていた中、今のプロデューサーに見いだされグループへ参加した背景がある。ここからは、3人の原点とも言える歌唱スタイルをたっぷりと味わえる舞台へ物語は進んでいった。

トップを飾ったのが、脩平。冒頭のイメージ映像には、脩平がスタジオの中、無心でピアノやギターやドラムを弾く姿を投影。その映像に続き脩平はピアノの前でしっとりと、でも、流れるような旋律を奏でだした。道に跳ね返り弾む雨音のようなピアノの音色。やがてその旋律は、ジャーニーの名バラードナンバー『オープンアームズ』へ。英語も堪能な脩平らしく、彼は英詞ナンバーをセレクト。楽曲は次々と表情を変えながら、脩平は邦楽洋楽問わずいろんな楽曲を流れるようメドレー形式で歌い紡いでいった。さすが楽器演奏にも長けた脩平らしいソロステージングじゃないか。

一輝は様々なストリートを舞台に、彼が青春映画のヒーローのように街を俳諧してゆく姿を映像に投影。一輝が歌ったのは、パワフルなロックナンバーを得意とする彼に相応しいThe ROOTLESSの『one day』。未来を掴もうと歩み続ける姿と自らとを重ね合わせた歌をセレクトしたところに、今の一輝の心情を垣間見た気分だ。何より、凛々しく力強く歌う声に、終始気持ちが惹かれっぱなしだった。

街を俳諧しながら、上京したときの決意や二人との出会いなど、いろんな思い出を語る映像からの幕開け。低音域の声色を魅力にする祥耶は、愛しい人へ告白するようにTEEの『ベイビーアイラブユー』を、温もりを抱いた声で歌い語りかけてきた。その歌は、まるで好きな人を口説いていくようだ。ヤバいよ、歌を通して祥耶に口説かれてる気分だよ。

今はダンス&ヴォーカルやアイドルグループが中心。その中の本物、正真正銘、歌一本で勝負出来るヴォーカルグループを作りたくてJ-NUiNEを結成しました。

ソロコーナーの後は、3人の軽妙なトークを楽しめる「みんながJ-NUiNEに聞きたいんだジェー」コーナーへ。「メンバーの直して欲しいところ」の質問に、祥耶が「一輝は凄いいたずら好き、シリアスな場面で耳に息を吹きかけたり、耳元でソッと「お腹空いた」」の発言はやめて欲しい。脩平は沖縄出身だから、11時集合なら11時に家を出る沖縄タイムの生活はやめて欲しい」と発言。脩平と一輝は「そんな直して欲しいところがない」と言い出し、先に本音を吐き出した祥耶が微妙な立場へ。
 「好きなタイプは」の質問に、祥耶は「部屋が綺麗で料理が出来る人」、一輝と脩平は「みんな可愛いし、最高」と発言。一輝は「強いて言うなら、髪が長くして目がクリクリッとしてて…」とやたら言葉を並べていた。脩平は「黒い人で英語をしゃべれる人」だそうです。脩平ファンは日焼けサロンと英会話は必須のようだ。
「J-NUiNEとしての目標は」に、祥耶は「CDデビューしてみんなでもっもともっと大きくなって、何時かは日本武道館や東京ドームへ、そうやってみんなと一緒に夢を叶えていけたら。個人としては、バラエティに挑戦したい」と。一輝は、「今回のワンマンもそう、一つ一つみんなと一緒に夢を叶えていきたい。個人としてはモデル業をやりたいのと、大分県の観光大使をやりたい」と発言。脩平は「つねにサプライズなグループでありたい。個人としては、元々やっていた舞台関係の仕事や演技に挑戦したいし、今回の映像音楽を全部自分で作ったので音楽制作をやりたいし、それをグループに還元したい」と語ってくれた。

ここで、プロデューサー大竹聡嗣が舞台へ登壇。「J-NUiNEは昨年9月16日に結成し、ストリートや対バンライブを軸に活動をしてきました。最初は0人だったのが、みなさんのたくさんの応援でここに立てています。今はダンス&ヴォーカルやアイドルグループが中心。その中の本物、正真正銘、歌一本で勝負出来るヴォーカルグループを作りたくてJ-NUiNEを結成しました」と語ってくれた。

彼らは「ヴォーカルグループ」として、歌一本で勝負している。歌に自信があるのはもちろん、心と心の触れ合いを交わしてゆくうえで一番強い絆を結べるのが、気持ちへダイレクトに届く歌の力だと3人は信じている。主メロが入れ替わりつつ二声がハーモニーを重ねてゆく。歌の表情が万華鏡のように煌びやかに変化してゆく。まさに「奇跡の三重奏」。だからこそJ-NUiNEは、パフォーマンスよりも歌声の持つ感情を表現の軸に据えてきた。

着替えを終えたメンバーらが再び舞台へ登場。後半戦のライブは、CROSS GENEの『future』からスタート。ポップに弾む楽曲へ飛び乗り、メンバーも観客たちも一緒にご機嫌な笑顔を浮かべ、手拍子をしながら無邪気に身体を揺らしていた。3人は歌いながらカラーボールを客席へ投げ入れれば、舞台前のファンたちとタッチし続けてゆく。手と手が触れるたびに起こる黄色い歓声。再び場内に熱が沸きだした。

生まれだした熱を大きく膨らませようと、J-NUiNEはベリーグッドマンの『ファンファーレ』を歌唱。気持ちに、未来へ熱いエールを贈る歌に刺激され、会場中の人たちが身体を揺らし、3人の歌声をおおらかな想いで受け止めていた。

本編最期を飾ったのが、SHINeeのバラード『Moon Drop』。とてもハートフルな楽曲と歌声だ。想いを晒すように歌う3人。重なり合った暖かな歌声が、触れた人たちの心をセンチメンタルな色に染め上げていった。

また一緒に、この言葉を交わしたい、「ありがとう」と。

  止まぬアンコールの声を受け、3人はふたたび舞台へ。彼らは熱い気持ちをぶつけるファンたちへ向け、「僕は君が好き」と平井大の『Beautiful』を歌いかけた。とても爽やかで晴々とした3人の歌声が、心地好く胸にスーッと染み込んできた。これまでのドラマをプレイバックするように3人の歌声に優しく身を預け、彼らと過ごした幸せな一時を、誰もが懐かしむように思い返していた。

「このメンバーに出会えて幸せです。何より、みなさんがいるから僕らは頑張れますし、こうやってステージに立っています。みなさんの力をこれからも貸してください」(一輝)
「J-NUiNEを結成してからずっと、今日を目標に頑張ってきました。何時もJ-NUiNEを支えてくれるみなさん、プロデューサーの大竹さん、メンバー、心の支えになってくれている家族や仲間、ファンの人たち、みんなの協力があってここまでこれたなとすごく思っています。最初の頃の路上はずっと0人だったけど、今、こうやってみんなの顔をみながら初めてのワンマンライブが出来てすごく嬉しいです。これからも新たな目標へ向かって頑張っていきます」(脩平)
 「みなさまの力があって、今日、僕たちはここに立てています。上京したときは誰も友達がいなくてすごく不安で、絶対に歌手になるからと家を出て頑張らなきゃと思いながらも、何度も挫けそうになっていました。それでも、つらいときに音楽で人を元気づけるアーティストになりたいという夢を胸に活動を続けてきました。そんなときに出会ったのが、この2人でした。
 今日は、J-NUiNEとしての新たな1ページ。みなさんにとっても素敵な1ページになったかなと思います。僕たちは、たとえ環境が変わろうとメンバーの決意は変わらないです。ぞの言葉を胸に頑張っていくので、みんなも悲しいことやつらいことがあったら僕たちに会いに来てください。みんなへのありがとうを歌で返したいと思います」(祥耶) 

最期にJ-NUiNEは、自分たちを支えてくれる人たちへ感謝の想いを届けようと、初のオリジナル曲となるバラード『ありがとう』をプレゼントしてくれた。「僕らの想いを乗せたハーモニー」と歌う3人のハーモニーはしっかり胸に響いていた。J-NUiNEが届けた「ありがとう」の気持ちを、僕らも「ありがとう」と彼らに出会えた感謝の気持ちとして返したかった。誰だって、この歌に綴られたように不安に負けそうになるときがある。そんなときに勇気を注ぎ、明日へと向かわせてくれる糧としてあるのが音楽であり、J-NUiNEのステージだと彼らは思わせてくれた。これからも互いに「ありがとう」と感謝の想いを伝えあう関係でいたい。また一緒に、この言葉を交わしたい、「ありがとう」と。

J-NUiNEは、9月8日(金)に渋谷REXを舞台に行う結成一周年ワンマン公演へ向け、再びここから走り出した。これからもJ-NUiNEはストリートライブを中心に、毎月定期的にライブハウスでもライブを行うことが決まっている。そして実績ある作家陣によるオリジナル楽曲制作も急ピッチで進行中。ぜひ、彼らと一緒に夢を追いかけ続けないか。

PHOTO:柳延人
TEXT:長澤智典

★OFFICIAL Web
http://j-nuine.net
★OFFICIAL Twitter
https://twitter.com/JNUiNE_Official
★J-NUiNE SHOP(通販サイト)
https://jnuine.theshop.jp/
★「ありがとう」4/28初ワンマンライブ映像
https://youtu.be/JWQNJWhpIx4

★LIVE情報
5/30(火) 渋谷REX対バン
6/16(金)下北沢MOSAiC対バン
7/12(水)下北沢MOSAiC対バン
8/10(木)下北沢MOSAiC対バン
9/ 8(金) 渋谷REX結成一周年2ndワンマン


あわせて読みたい記事

Pick Up