かなでももこ インタヴュー


【かなでももこ】photo
現在スマホゲームとして配信中、”狂気のサスペンスAVG”作品こと「NOeSIS~嘘を吐いた記憶の物語~」。同ゲームの主題歌『OSeINS』を担当しているのが、アニソン/ゲーソンシンガーのかなでももこ。同ゲームの続きを成す「NOeSIS~羽化~」が、9月下旬頃に配信になる。こちらの物語でもかなでももこは、主題歌の『Damask Rose』を担当。2曲とも、激しさの中へ哀切さを秘めたサスペンスホラーナンバーとして完成している。何より、『OSeINS』はNOeSISのストーリー上、重要な役割を担っているキャラクターである鷹白千夜の心情を、そして『Damask Rose』は主人公である鹿倉時雨の心模様に焦点を当てた歌詞になっており、ゲームに触れた人ほど魅了される歌になっている。
「NOeSIS~羽化~」の発売や、『Damask Rose』の配信リリースに先駆ける形で、かなでももこは9月11日に新宿MARZを舞台に「かなでももこROCKPROJECT LIVE VER.A」と題したワンマンライブを開催する。この日は、ライブ本編を物語仕立てで構成する。テーマに据えたのが、昨年彼女が追求し続けた「かなでももこROCK PROJECT」の軸を成した「心の葛藤」。ライブ自体も、ダーク/ラウドな楽曲を中心に据えながらも、幻想的な歌や心泣き濡らす表情や感情を嬉しく解き放つ歌まで、多彩な曲調を提示してゆく予定だ。かなでももこの言葉を、以下へお届けしよう。

NOeSIS「~嘘を吐いた記憶の物語~」以上に猟奇的な物語になっていくから、何も知らずに「NOeSIS~羽化~」から始めたら、きっとびっくりしちゃうかも知れない。

――かなでももこさんが主題歌の『OSeINS(オセインズ)』を手がけているアプリゲーム「NOeSIS~嘘を吐いた記憶の物語~」が、現在発売中。かなでさんも、ゲームの世界観へどっぷり浸り楽しんだプレイヤー。「NOeSIS~嘘を吐いた記憶の物語~」をプレイして感じた魅力から、まずは語っていただけますか!?
かなで:このゲームは「NOeSIS~嘘を吐いた記憶の物語~」と、9月下旬頃に発信を予定している「NOeSIS~羽化~」、この2つの物語が連動する形で成り立っています。まずは「NOeSIS~嘘を吐いた記憶の物語~」を通して、物語の舞台となっている学園の設定を楽しんでいただきたいんですね。むしろ「NOeSIS~嘘を吐いた記憶の物語~」をプレイしていると、キャラクターひとりひとりの個性や、登場人物たちの背景にある謎がいろいろ見えてくるはずです。
 もちろん、「NOeSIS~嘘を吐いた記憶の物語~」で見えてきたいろんな謎が「NOeSIS~羽化~」へと続いていくわけですが。「NOeSIS~嘘を吐いた記憶の物語~」だけでも、完結した一つの物語として十分ストーリーの面白さを味わえます。「NOeSIS」は「狂気のサスペンスAVG」と言われるように、本当に独特の怖さを秘めているゲームですからね。
――「NOeSIS~羽化~」で、その物語がどんな風に深化していくかも気になります。
かなで:私自身が『NOeSIS』の中、古宮緑というキャラクターを演じる声優として出演したように、先にシナリオをすべて読ませていただいたことから概要はつかんでいるんですけど。「NOeSIS~嘘を吐いた記憶の物語~」では秘められたままだった謎が明かされるのはもちろん、それぞれのキャラクターたちの秘めた心模様やその理由が見えてきます。何より、プレイヤーが選んだ子を助けることで他の女の子を裏切ってしまうことも出てくるように、運命を左右するたくさんの選択肢が、女の子ごとに描かれていきます。結果、全部プレイしたときに、自分は誰を選べば良かったんだろうって考えてしまうんですよね。そこが面白さであり、何より、全ルートを(or すべてのキャラクターたちに触れ)やらないと真実は見えてこないと思います。

『OSeINS』では、「NOeSIS~嘘を吐いた記憶の物語~」のなかで、特に重要なポジションを占めるキャラクター鷹白千夜にスポットを当て、彼女の視点で捉えた物語の世界観や心の葛藤を描きました。対して『Damask Rose』は、ゲームの主人公である鹿倉時雨の心情や、時雨から見た各キャラクターへの想いなどを描いています。

――かなでさんは、「NOeSIS~羽化~」の主題歌『Damask Rose』を担当。『OSeINS』同様に『Damask Rose』でも作詞を手がけました。
かなで:『OSeINS』では、「NOeSIS~嘘を吐いた記憶の物語~」の主要キャラ、鷹白千夜にスポットを当て、彼女の視点で捉えた物語の世界観や心の葛藤を描きました。対して『Damask Rose』は、ゲームの主人公である鹿倉時雨の心情や、時雨から見た各キャラクターへの想いなどを描いています。しかも、「NOeSIS~羽化~」をプレイし終えたあとに『OSeINS』を聞くと、千夜の葛藤した心模様の意味がより深く見えてくるように、この2つの物語を楽しんでいただくことで、より心の深いところで『OSeINS』と『Damask Rose』に込めた想いを感じていただける構成にもなっています。とくに『Damask Rose』は、結末を知ったうえでの時雨の心情としても記しているように、ゲームを楽しんだ人ほど、『OSeINS』『Damask Rose』ともに深く味わえる楽曲になっています。
――『OSeINS』も『Damask Rose』も、「NOeSIS~嘘を吐いた記憶の物語~」「NOeSIS~羽化~」のために存在していると言っても間違いない楽曲ですからね。
かなで:それぞれの物語とリンクした言葉もたくさん詰め込んでいるように、このゲーム作品のために書き記した歌詞になっています。今回の『Damask Rose』でも、私が「NOeSIS~羽化~」の台本を読んでグッときた場面の描写などもいろいろ書いていますからね。
――作曲を、かなでももこ作品ではお馴染みの俊龍さんが担当しています。
かなで:「かなでももこROCK PROJECT」のときにも、俊龍さんには『Sing in the Dark』という激しい楽曲を書いていただきましたけど。あのときとはまた違った激しさを持った楽曲をいただけたのも嬉しかったです。『NOeSIS』シリーズの主題歌として起用した『OSeINS』も『Damask Rose』も、ほとばしるロックな魂を感じさせる歌になりました。前に書いてくださった『Ocean of Light』 のときには、キラキラとした明るい表情でしたが、そこにもほとばしる熱さを込めていたように、俊龍さんが私に提供してくださるいろんな楽曲の中へロック魂が込められていることを、今回、改めて感じることも出来ました。

『Damask Rose』には、『NOeSIS』だからこそ使える言葉や、登場人物に向けられた言葉を散りばめています。

――『Damask Rose』の中、物語を楽しむうえでのポイントも教えてください。
かなで:『Damask Rose』は時雨の目線でと語ったように、「狂おしく愛しい潤んだ瞳」が鷹白一夜に対しての言葉だったり、「幻想の記憶で君は僕に微笑む」が「NOeSIS~嘘を吐いた記憶の物語~」の頃の一夜であったり。他にも、「影に染まった弱い人」や「もてあそばれてもかまわない」も、この物語に出てくるキャラクターへ向けての心情だし、「赤い家族救えるのなら」という言葉自体が『NOeSIS』の世界観のなかで使える言葉であり、それも登場人物へ向けられているように、その辺もプレイしながら探っていただけたら、より楽しめると思います。
――タイトルに付けた『Damask Rose』の意味も気になります。
かなで:「Damask Rose」は実存する花の名前。この薔薇の花はすごく香りが良く、とても気品があります。薔薇が香水や化粧品によく使われるのは、その香りの良さからなんですけど、香りを放つ薔薇の花自体が20日くらいしか咲かないんですね。だから商品に加工される薔薇の花は、香りが強い開花間もない時期に摘み取られてしまいます。『NOeSIS』に出てくる千夜が、高校生活という短い期間の中、なぜ時雨のために死を覚悟してまでとある行動に走るのか!?。『Damask Rose』の中へ記した「小さく燃える命を何度も咲いて散らせた」という言葉へ、私は薔薇の持つ運命も掛け合わせたように、物語に触れながら、このタイトルに込めた想いを探ってもらえたら嬉しいです。
――『OSeINS』や『Damask Rose』には、物語と連動したいろんな想いがかなーり色濃く凝縮されているんですね。
かなで:二つの物語ともに、たくさん詰め込みたい言葉や想いがありましたからね。むしろ、それを歌詞の中へ落とし込むのが大変でした。たとえば『Damask Rose』にはサビが3回出てくるのですが、冒頭と最後を「時」と「微笑む」というワードを挟むことで統一性のある言葉として並べつつ。その中で少しずつ表現を変えているように、3つのサビの中にも微妙にニュアンスを変えながら物語と連なる想いを詰め込みました。
――かなでさんは『NOeSIS』シリーズの中、古宮緑役の声優も演じています。
かなで:『OSeINS』を制作していた頃は、まだ物語へ声を入れる前だったから、あくまでも歌い手の視点で『NOeSIS』を捉えていたんですけど。実際に古宮緑を演じ、そのうえで今回の『Damask Rose』の制作に入ったことから、今回の歌詞制作や歌入れに関しても、私自身が登場人物側の視点でも楽曲に携われました。その視点も加えたことで、より深く歌を表現出来たのも嬉しい手応えになりましたからね。
                                      
今回の私のワンマンライブは、「本編を一つの物語」として構成します。

――9月11日(日)には、新宿MARZを舞台に「かなでももこROCKPROJECT LIVE VER.A」と題したワンマンライブが開催になります。
かなで:6月に行ったバースデーワンマンライブのときに、A(エース)というヴィジュアル系バンドを演っていた方々に今回もライブ演奏をお願いしました。バンドメンバーの皆さんが奏でてきた音楽を、9月11日のライブを機会にかなでファンの皆さまにも体感してもらえたら嬉しいです。今回の私のワンマンライブは、「本編を一つの物語」として構成します。具体的な内容は当日のお楽しみにはなりますけど、私がROCK PROJECTを通して描いてきた「葛藤」という感情を、私がこれまで歌ってきた楽曲を通して物語化していきます。ライブの合間には、私がストーリーテラーとしてセリフも加えます。「葛藤」をテーマにしているように、軸になるのはROCK PROJECTの中に描いたダークな表情かも知れませんが、たとえば『fragment』のような、物語の世界観を一気に塗り替えてゆく幻想的な歌も私は好きだし、ライブだからこそ明るく弾けた表情だって入れてくように、しっかり幅広さも描き出してゆくつもりです。
――ライブを演るたびに感動のあまり涙を流してしまうかなでさんですが、今回は物語を届けるライブだけに、そこはうまく感情をコントロールしてゆく形になるのでしょうか??
かなで:すでにリハーサルの時点で、感動のあまり泣いちゃってるんですけど(笑)。本番になるとうまく感情をコントロール出来るようにもなってきたように、そこは頑張ります。でも、いくらコントロールしようとしても、崩れるときは崩れちゃうんですけどね(笑)。
――最後に、ひと言お願いします。
かなで:9月11日のワンマンライブの日に、『Damask Rose』を初披露したいなとも思っています。最後に、全体的な話になってしまうんですけど。『NOeSIS』を通し声優をやらせていただけたことで、私は「演じることで見えてくるキャラクターを通した物語の世界観」という視点を得ることが出来ました。そこで得た感覚が、結果的に『Damask Rose』にも表現の深みを与えてゆく経験にも繋がれば、「これからもそういう経験を重ねていけたらな」という目標も生まれました。まずは、かなでももこのロック魂を全開にしたワンマンライブに触れてください。

                           TEXT:長澤智典
KANADE2
かなでももこオフィシャルHP
http://www.kanademomoko.com/
かなでももこレーベルサイト
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かなでももこオフィシャルtwittter
https://twitter.com/momoko_kanade

NOeSIS(ノエシス)HP
http://noe-sis.jp/

★LIVE情報★

「かなでももこROCKPROJECT LIVE VER.A 」
【日付】2016年9月11日(日) 
【会場】Shinjuku Marz(http://www.marz.jp/
【開演】18時30分(開場 17時45分)
【料金】4000円(別途1ドリンク代)
チケット好評発売中
http://l-tike.com/
Lコード:70602


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